来春から段階的な共学化を予定している園田学園女子大学(兵庫県尼崎市)が、共学化について地域住民らと考える場を設けた。大江篤学長も加わり、「園女(えんじょ)」はどう変わるべきなのか、議論を交わした。

 大学と地域の対話の場となる「SONODAオープンラボ」の5回目で、テーマは「共学化」。地域住民のほかに市職員や卒業生、教職員ら約35人が参加し、七つのテーブルに分かれて意見交換した。

 冒頭で大江学長は「少子化が止まらないなか、検討を重ねて共学化に踏み切った」と説明した。「教育改革の鍵となるのが、地域とともに呼吸する学園であること。また偏差値ではなく経験値教育に力を入れていくこと。第2の開学と位置づける共学化にお力添えをいただきたい」と話した。

 この日は、前尼崎市長で同大学経営学部客員教授の稲村和美さんをゲストに迎えた。学生時代に阪神・淡路大震災に遭い、ボランティア活動をするようになったといい「経験することで学びと成長があるはず。学生たちにとってより豊かな学びの場になるために、学外のみなさんと一緒に考えていきたい」と話した。

 参加者たちからは、「共学化で何を一番改革したいか教えてほしい」「サークル活動はどうなるのか」といった質問が寄せられた。さらに「学生たちの声も大切にしながら、女子大の良さをどう次へつなげていくかが課題になるはず」という指摘もあった。大江学長は「在校生たちの思いを大切にするために学生プロジェクトを立ち上げたい」と明かした。

 同大学は来春、園田学園大学と改称する。あわせて3学部のうち経営学部とこども学部(現・人間教育学部)の2学部で共学化し、2028年4月までに残る人間健康学部の共学化を目指す。

=朝日新聞デジタル2024年06月23日掲載