三重県いなべ市では、小中学生の1人1台端末と学校の高速ネットワーク環境を整えるGIGAスクール構想以前からICT(情報通信技術)を積極的に取り入れてきました。11校ある市立小学校の授業では今、どのようにICTを活用しているのでしょうか。市立治田(はった)小学校の授業の様子を見学しました。

三重県の最北端にあるいなべ市。市立治田小学校は全校生徒105人の小規模校だ。クラスは各学年1クラスずつ。「クラス替えがないので、子どもたちは『クラス』という概念がないかもしれませんね」と同校の山下真貴子校長は言う。

こじんまりした学校だからこそ、体験的な学びをしっかりできるのが強みだという。

まず3年生の国語の授業を見学した。この日は「ことわざ」の学習をしていた。各班で選んだことわざの内容をドラマ仕立てにして子ども自身が演じ、それを動画に撮って表現する。

241206 いなべ市5(子ども2人)
ことわざをドラマ化して動画の撮影をする治田小学校の3年生

ことわざをドラマ化し動画撮影

やることとしては、ことわざの内容を理解する→具体的なシーンを考え、シナリオを作る→撮影する側と演じる側など役割を決める→撮影する→各班で発表する、という3年生にしてはなかなか高度な内容だ。

使用するデバイスはiPad。子どもたちは扱いに慣れているようで、作業に迷っている様子はない。3、4人のグループを作り、三脚にセッティングし、ワイワイ楽しそうに撮影を始めていた。

ある班に与えられたことわざは……