子どもたちの「1人1台端末」と学校のネットワーク環境を個別最適な学びや協働的な学びに生かす「GIGAスクール構想」が2021年度に始まって3年になろうとしています。全国の学校に一気にICT(情報通信技術)が導入されましたが、授業にICTをうまく活用できている学校と、そうでない学校の差が表れてきました。どう授業改善していけばいいのか、ICTを活用した授業づくりに関する著書のある神戸市教育委員会の指導主事、吉岡拓也さんに寄稿いただきました。3月9日には、吉岡さんを講師に迎えたウェビナーを開催します。

【3/9(土)開催 無料ウェビナー】子どもを主語にした授業づくり −ICT活用や授業改善は子どもを起点に−

吉岡 拓也(よしおか たくや)
神戸市教育委員会事務局学校教育部教科指導課指導主事。1990年奈良県生まれ。神戸大学発達科学部を卒業後、神戸市立高等学校での勤務を経て、現職。モットーは「委ねる、つなげる、挑戦する」。子どもから、先生から、学ぶ毎日を楽しんでいる。第17回学事出版教育文化賞奨励賞受賞。主な著書に「このクラス、ひょっとして隠れ学級崩壊?」(学事出版)、「GIGAスクール構想に対応した中学校数学のICT活用アイデア&アクション」(明治図書出版)がある。

子どもはどこにいるか

下記のイラストは、「新しい時代の学びを実現する学校施設の在り方について」(2022年3月、文部科学省)から抜粋したものです。新しい時代の学びを実現する空間イメージ図(イラスト)とのことです。イラストを見て気づくことはありませんか。

図表1

「教室と廊下の間に壁がない」、「一つの教室でいろいろな学びが展開されている」など様々なことに気づくと思います。では、イラストの中で、教師はどこにいるでしょうか。

どのイラストを見ても、教師が中心にいることはありません。子どもが中心(主語)となって授業が進んでいます。子どもを主語にすること。これは、今求められている授業づくりでも同じだと私は考えています。