ゲーム大手のコナミデジタルエンタテインメントは2022年12月、この冬に学校に無償提供する予定の「桃太郎電鉄 教育版」の開発状況を報告するイベント「第1回桃鉄教育祭り!」を東京都内で開催しました。教育関係者ら200人が参加し、質疑応答ではゲームの活用方法や追加してほしい機能などに関する意見なども出ました。「教育版ならでは」といった機能や、教員の管理画面を設けたこと、小学校教員の実践報告を紹介します。記事後半は、桃鉄開発にアドバイザーとして加わった正頭(しょうとう)英和先生やコナミの開発担当・岡村憲明さんへのインタビューです。

桃太郎電鉄とは

人気ゲーム「桃太郎電鉄」の第1作は1988年に誕生しました。様々なアップデートを加えながら新作が登場しているロングセラー商品です。2020年11月の最新作「桃太郎電鉄~昭和 平成 令和も定番!~」は発売から累計350万本を超す大ヒット商品となっています。

すごろくゲーム

桃太郎電鉄は、プレーヤーが電鉄会社の社長としてサイコロを振って止まったマスのイベントでお金を増やしていく「すごろくゲーム」です。

サイコロで止まったマスによってお金が増減したり、ゲームを有利にするカードがもらえたり。駅のマスに止まると物件を購入することもできます。決められた目的の駅に一番早く着いたプレーヤーには賞金が贈られますが、ゴールしてもゲームは終わらず、次の新しい目的の駅がランダムで選ばれます。

プレーヤー全員がサイコロをふり終わるとゲーム内の時間が1カ月進み、ゲーム開始時に設定した「プレー年数」が終了した時に一番資産を持っているプレーヤーが勝ちとなります。

ゲーム内に登場する駅名は、実在する駅をモチーフにしており、プレーヤーは駅のマスに止まると物件を購入することができます。例えば「横浜駅」なら、「サンマーメン屋(1000万円)」や「シューマイ屋(3億円)」「サッカースタジアム(200億円)」など、地域の名産、特産物、名物が反映されています。物件を購入すると一時的に手元のお金は減りますが、持っていると毎年収益を得ることができます。ゲームで遊んでいるうちに各地の駅名や特産物などが記憶に残るため、「桃鉄で地理を覚えた」という人も多いはずです。

桃太郎電鉄教育版のプレー画面
桃太郎電鉄教育版のプレー画面©さくまあきら ©Konami Digital Entertainment

桃鉄教育版の特徴

学校への無償提供が始まった桃鉄教育版は、最新作「桃太郎電鉄~昭和 平成 令和も定番!~」を教員のアドバイスを踏まえて改良したモデルです。正式名称は「桃太郎電鉄教育版Lite~日本って面白い!~」。今回のセミナーでは、教育版ならではのゲームバランスや、新たに設けた教員の管理画面も公表されました。

申し込みは2023年1月24日スタート

桃鉄教育版は、2023年1月24日に申し込みの受付をスタートしました。申し込みは桃鉄教育版の公式サイトで受け付けており、申請は学校単位、または教育委員会・地方自治体組織単位となっています。

申し込み完了後、5~7営業日ほどでログイン用のIDとログインパスワード、URL、取り扱い説明書がメールで届きます。桃鉄教育版の利用はメールが届いた日から可能になるそうです。

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