朝日新聞は8月27日、学校向けのウェビナー「先生のための勉強会~ともに創る 深いSDGsと新たな学校文化~」を開きました。気候変動や環境破壊、パンデミックといった、地球規模の課題に対して不安が広がる今、教育に何が求められているのでしょうか。外務省で気候変動課の総括役として活躍された、株式会社シグマクシスの前田雄大さんが「守る当たり前 創(つく)れ面白い未来」と題し、お話しくださいました。

前田 雄大(まえだ・ゆうだい)
株式会社シグマクシス Principal、脱炭素メディア「GXチャンネル」発行人 兼 統括編集長。1984年生まれ。2007年、東京大学経済学部卒、外務省入省。 開発協力、原子力、大臣官房業務などを経て、2017年から気候変動を担当。 G20大阪サミットの成功に貢献。 パリ協定に基づく成長戦略をはじめとする各種国家戦略の調整も担当。2022年から現職。 現在は、所属先で脱炭素事業のコンサルを中心に業務を手掛ける他、YouTube「GXチャンネル」を通じて脱炭素情報を日々発信中。 プレジデント・オンラインはじめ寄稿多数。書籍「60分でわかる! カーボンニュートラル 超入門」 も発売中。

いま、世界全体が脱炭素に向かっていますが、その大枠となっている条約がパリ協定です。予想以上に早い、2016年11月に発効されました。それぐらい国際社会の機運は高まっていて、発効までに批准が間に合わなかった日本との温度感が浮き彫りになりました。私はそのギャップを埋める作業を2年半一生懸命やり、これからは脱炭素だ、という思いが強くなり、今につながっています。

今日は、みなさまにお伝えしようと思っている二つの軸があります。その二つの軸を構成するに至ったことも含めて、お話をしていきます。

「脱炭素×○○」掛け算でとっかかりを

外務省を退官してずっとこの脱炭素の発信に取り組んできて、いかにこのテーマが社会に染み込みにくいか実感しました。そこで心がけてきたのは掛け算です。