ウェビナーは2部構成。第1部では、独立行政法人大学入試センター試験・研究統括補佐官兼試験企画部長の小野賢志さんが共通テストにおける「情報Ⅰ」の出題のねらいや背景を解説し、駿台予備学校進学情報事業部長の石原賢一さんは共通テストの「情報Ⅰ」を各大学がどのように活用しようとしているか、見通しを説明した。
第2部では、愛知県立小牧高校情報科教諭の井手広康さん、東京都立神代高校情報科主任教諭の稲垣俊介さん、神奈川県立希望ケ丘高校校長の柴田功さんの3人が、授業やカリキュラムのあり方を含め、「情報Ⅰ」の入試対策に高校はどう取り組んだらいいかを話し合った。コーディネーターは朝日新聞の宮坂麻子編集委員が務め、参加者からの質疑応答を含むトークセッションも行われた。
第1部 情報入試の概要と大学の採用の現状
◇令和7年度大学入学共通テスト 出題科目「情報Ⅰ」について
大学入試センター試験・研究統括補佐官兼試験企画部長 小野賢志さん
出題科目「情報Ⅰ」をご理解いただくために、まず大学入学共通テスト全体のポイントについてお話しさせていただきたい。共通テストの目的は、大学入学を希望する人を対象に、高校の段階における基礎的な学習の達成の程度を把握し、大学教育を受けるために必要な力を把握するということにあります。基準になるのは、全ての高校教育のベースになる学習指導要領です。
新学習指導要領の下で行われる共通テストにおける、全教科共通の問題作成方針の検討の方向性を公表しました。この方向性にはポイントが三つあります。一つめは知識の質や思考力、判断力、表現力などを重視し、教科横断的に育成する言語能力、情報活用能力などについても留意することです。