少子高齢化社会に進む日本ですが、都心部ではタワーマンションの建設などによって、一時的に子どもが急増し、教室が足りなくなるという事態も起きています。2022年春には東京都港区に9階建ての小学校が新たに開校したことも話題になりました。今回の編集部員の気ままにランキングは、そんな「人気の街」に焦点を当てて、ご紹介します。
各地の行政サービスやデータを掲載している地域応援サイト「生活ガイド.com」(運営・株式会社ウェイブダッシュ)は2022年10月、「全国住みたい街ランキング2023年版」の中間発表を公表しました。今回のランキングは2022年4月1日~9月30日に同サイトにログインした会員が選んだ「住みたい街」を集計した中間発表です。最終結果は2023年4月に公表される予定です。
10位 さいたま市
さいたま市が発表した2022年度の「さいたま市民意識調査」では、市のイメージ上位3項目は上から「買い物など生活に便利なまち」「居住生活環境のよいまち」「交通の利便性が高いまち」とのこと。住みやすいと思う人の割合は年々上昇傾向にあるようで、最新結果では87.2%と過去最高を記録したそうです。特産品はサツマイモなど。
9位 京都市
修学旅行の人気行き先で常に上位に挙がる京都。歴史的な建造物が身近にあり、都会的な雰囲気と伝統が共生する街としてのイメージが強いです。京都にもオフィスはたくさんありますが、私が大阪で勤務していた頃は「京都から通っている」という同僚が多かったことも印象的でした。どこに出かけるにもアクセスが良いという点も魅力的だと思います。
8位 神戸市
港町の神戸が8位にランクイン。中華街巡りも楽しいですよね。海沿いの観覧車を見ながら、買い物を楽しんだことがある人も多いのでは。小さい子どもが遊べるアミューズメントパークには、無料で遊べるエリアもあるので、私の子どももよくお世話になっていました。スキーとスノーボードが楽しめる「六甲山スノーパーク」も、中心部の三宮から車で約35分という近い距離にあります。
7位 名古屋市
名古屋市が2021年末に公表した「観光に関するアンケート」では、市内の人が「名古屋のまちに対して連想できるもの」(複数回答)では、「水族館、動植物園」が52.9%で最も多かったそうです。でも手羽先やみそカツ、ひつまぶしなどの「名古屋めし」も有名。喫茶店のメニューにある小倉トーストも、今や全国に知られています。そういえば、名古屋出身の人は喫茶店に対するこだわりが強いイメージがあるのは、私だけでしょうか?住宅の家賃は、東京に比べると落ち着いた価格帯になっているそうです。
6位 大阪市
6位は大阪市。3年ほど住んだ経験がある私としては、もっと上位を予想していたので意外でした。テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」は、年間パスを購入して遊びに行きました。電車の利便性が高く、買い物にも遊びにも出かけやすいと感じていました。中心部にはタワーマンションが多いイメージでしたが、今後はさらに増えていくようです。住む前はたこ焼きのイメージが強かったですが、住んでみると、もっと強くなりました。
5位 東京都世田谷区
東京都内では、まず世田谷区が5位にランクイン。2022年12月1日現在で約91万6千人という人口は、東京23区でトップであるだけでなく、鳥取や島根、高知など人口が少ない8県を上回っています。閑静な住宅街というイメージもありますが、家族連れや若者でにぎわう繁華街の二子玉川、アートや古着を楽しめる下北沢など、さまざまな顔を持っていることも人気の理由でしょうか。都心へのアクセスも良く、私鉄が多く通っています。
4位 東京都港区
六本木や青山、赤坂、麻布、白金など、全国に知られる東京の山の手地区の高級住宅地を抱える東京都港区が4位に入りました。交通の利便性も全国トップクラス。街を歩くと多くの駅を見かけるイメージがあります。コロナ禍によって郊外の人気が高まったといいますが、都心部の人気は衰えていないということでしょうか。流行の最先端に触れながらの生活を希望する人も多いのかもしれません。
3位 福岡市
ここからはトップ3です。まず3位には九州一の大都市、福岡市が入りました。市のホームページでは、2010年10月~2015年7月までの人口増加率は政令指定都市の中で1位になったことがうたわれていました。博多駅から電車で約5分というアクセス抜群の立地にある福岡空港を使えば、「上海・東京まで90分」とのことです。飲み会にかかる費用が比較的安く、家賃も東京に比べて安くなっているそうです。また家賃が安いために中心部に近い場所に住むことができ、通勤時間も大幅に抑えられるなどの魅力もあるそうです。
2位 札幌市
2位は観光でも人気の札幌市でした。地下鉄など公共交通機関が発達していることで、どこに行くにもアクセスが良い点も人気の理由のようです。冬季五輪の開催地でウィンタースポーツも盛ん。車で20分ほどで行けるスキー場もあるので、当日朝に思い立ってからスキーを楽しむこともできます。冬の寒さは確かに厳しいですが、多くの建物は玄関や窓を二重にしたり、断熱素材を使ったり、と防寒対策が施されています。
カニやウニ、イクラといった新鮮な海産物や野菜、肉など食材が豊富なことも食通にはたまらない魅力でしょう。スイーツも充実していて、飲み会をパフェで締める「シメパフェ」は札幌発祥とされています。「大通公園」をはじめ、街の中に自然が豊富な点も魅力ですね。
1位 横浜市
全国住みたい街ランキング(中間発表)の1位は「神奈川県横浜市」でした。「住みたい街」を調べた調査は世の中に無数にありますが、横浜市はどんな調査でも常に上位に入っている大人気都市の一つではないでしょうか。ドラマの撮影でもよく使われている赤レンガ倉庫や観覧車などがある「みなとみらい」エリアは、デートスポットとしても有名ですよね。
サッカーJ1の地元チーム「横浜F・マリノス」は2022年シーズンで優勝し、市内も大いに盛り上がっていました。サッカーや野球のスタジアムが街中にある都市というのも魅力だと思います。やはりタワーマンションは林立しており、そうした点からも人気の高さがうかがえます。人口も政令指定都市では圧倒的な1位です。
今回のランキング紹介は以上です。皆様の住んでいる地域は入っていましたか? どうすれば「住みたい街」になるのかは、全国の自治体の課題でもあります。探究学習のテーマにしている学校もあるかもしれません。今回のランキング紹介が、そうした学習に少しでも役立てばうれしいです。
※編集部コラムは、来週はお休みします。新年1回目は1月14日に配信する予定です。