学校を活動の場として歌い続けるシンガー・ソングライターがいます。札幌市出身の半﨑美子さん(43)は長い下積みの後、7年前にメジャーデビュー。プロ歌手としてのコンサート活動の一方、これまで4校の校歌や寮歌の作詞作曲を手がけ、今春には長年の念願だった「自分の楽曲が学校の教科書に載ること」という夢も実現させました。子どもたちと曲について語り合い、共に歌う特別授業ツアーを行いながら、活動の場を広げています。
眠らずに今日もまた まわり続けているけど
疲れてはいないですか
できることはありますか
今春、教育芸術社の小学5年生の音楽教科書に採用された半﨑さんの楽曲「地球へ」は、こんな歌詞で始まる。優しく語りかけるような詩とメロディー。2005年に急性骨髄性白血病で亡くなった歌手本田美奈子さんが残した散文を元に、半﨑さんが歌詞を書き、曲を付けた。21年に発売された。
地球と共に生きることを歌詞に
温暖化など環境の変化で大きく様子を変えている地球を一つの命であるととらえ、その命には限りがあること、私たちはその地球の一部であること、共に生きるというメッセージを歌にした。
「自分の曲が教科書に載ること」は長い間の夢だった。「学校で習った歌は、大人になっても覚えている。自分がいつかいなくなっても、子どもたちによって歌い継がれていってほしい」
「地球へ」が以前、教育芸術社の学習教材として採用された経験などから、今回の教科書掲載が決まったという。「うれしさを通り越して、打ち合わせの時もずっと嗚咽(おえつ)していました」
各地の学校で、この曲を子どもたちと一緒に歌う特別授業を行っている。初めての授業では……