奈良県は、教員の採用人数を増やす方針を発表した。正規教員の比率が83・8%と全国ワースト2位(昨年度)にとどまっており、今後5年間で全国平均並みの92%を目標に引き上げるという。
山下真知事が18日、記者会見で明らかにした。正規教員の割合が沖縄に次いでワースト2位となった理由について山下知事は、1980年代前半に子どもの増加に伴って教員を大量に採用したものの、その後、減少に転じたことで、教員の年代構成がいびつとなって、採用を抑制して平準化を図ってきた経緯があると説明した。
採用試験の倍率は5倍前後で推移し、全国平均を上回る傾向にある。来年度から2029年度に実施する試験で、過去5年間の採用から160人を上乗せした約1720人を採用する方針という。年間5億円程度の人件費増を見込む。
山下知事は「講師は任用期間が限られ、管理職になれない。正規教員になりたい人への道を開き、やる気を高めてもらうことが教育の質の向上につながる」との考えを示した。
全国的に教員志願者が減少傾向にあるなかで、県教委は志願者を確保するため、60歳まで受験資格を認める一方、大学3年生や教員免許を持たない一部専攻の大学院生についても選考の対象としている。来年度実施の1次試験では中学と高校の英語で教科専門試験は実施せず、英検やTOEICなどの結果を点数化するという。
=朝日新聞デジタル2024年09月20日掲載