人気漫画「落第忍者乱太郎」(尼子騒兵衛著)とコラボして、若手・新任の先生方を中心に先生のお悩み解決策を考える連載を始めます。乱太郎たちがいる忍術学園の教師・土井半助先生をはじめとしたキャラクターたちに登場してもらい、教育現場のリアルな課題を取り上げます。初回のテーマは「学級崩壊」。校内が荒れて学級がうまく機能しない1990年代の学級崩壊が再び、起きていると言われます。現場はどんな状況で、先生はどう対処したらいいのでしょうか。子どもの問題行動を研究し、依頼を受けて荒れた学級の立て直しにも取り組む白梅学園大学教授の増田修治さんに聞きました。

【お悩み】学級が崩壊……どうしたらいい?

乱太郎がいる「1年は組」は、他の忍者の学校と合同で演習を実施することになり、それぞれの組に分かれて演習開始前の講義を受けていたが……。

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【アドバイス】一人ひとりにアプローチし「考える授業」を

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増田修治・白梅学園大学教授

子どもの暴力行為は全国的に増えています。文部科学省が発表した2022年度の調査によると、小学校での暴力行為は過去最多となりました。小学校では学年が上がるほど暴力行為は増えますが、2006年度と比べると、小1が53.5倍、小2が32.4倍と低学年での増加が目立ちます。学級崩壊も多くの学校で起きています。

ある小学校での話です。5年生の男の子が女の子に「お前、死ねよ」と僕の目の前で言いながら、女の子の髪を引っ張って廊下を引きずり回したのです。向こうにはその学校の先生がいるのに、先生は止めません。だから僕が止めました。これが荒れた学校の特長です。いじめや暴力行為が頻発しているのに、いちいち仲裁していたらきりがないからと無視していく。暴力が日常茶飯事になると、見えなくなっていきます。

「みんな、こっち向いて」と先生が言っても、全員が向いてくれることはもう、期待しないほうがいいかもしれません。