学校に送られる文書を減らす「文書半減プロジェクト」を昨年4月から始めた山梨県教育委員会は、昨年度の1年間で公立の小中高校など全体でほぼ半分にあたる48・5%の文書削減を達成したと発表した。現場への調査では、プロジェクトに取り組んだ結果、文書を扱うことが多い教頭や事務職員で1週間に3~5時間程度の負担軽減効果があることもわかったという。

 県教委は昨年4月から国や県が学校に出す文書を「送付する」「送付しない」「ネット上に保管し、内容に応じて共有・活用できるようにする」の三つに分類している。プロジェクトを始めた昨年4月11日から今年3月29日までに、小中高向けの文書1922件のうち、「送付」は51・5%、「ネット上の保管」が33・1%、「送付せず」15・4%だった。特に小中学校では、「ネット上の保管」と「送付せず」が合わせて58・2%と6割近くなった。

 また、小中高校を対象に、プロジェクト開始直後の昨年5月と今年2月で、文書処理に費やす時間がどう変化したかも「校長」「教頭」「教諭」「事務職員」の役割ごとに調査した。その結果、いずれも時間が減ったが、教頭が1週間あたり3時間(28・8%減)、事務職員が4・67時間(36・8%減)と変化が大きいことがわかった。

 降籏友宏教育長は4月25日の記者会見で「文書を集中して扱う教頭や事務職員に、特に負担軽減効果が高いようだ。今年度以降もプロジェクトを続けていく」と語った。

=朝日新聞デジタル2024年05月11日掲載