「仕事が気にかかり眠れない」「鬱(うつ)ではないかと言われた」――。京都教職員組合が実施したアンケートで、昨年4月に採用された新人教員の気になる実態が浮かび上がった。背景には教育現場の慢性的な人手不足があるとして、労働環境の改善を求めていく。

 アンケートは昨年10月~今年3月、府内の公立小中高・特別支援学校に勤務する昨春採用の教職員712人を対象に実施。121人から回答を得た。

 「休日出勤(土日、祝日)はよくありますか?」という問いに対して、「ある」と回答したのは33・1%で、3年連続で前年を下回った一方、1日の時間外労働時間が「3時間以上4時間未満」「4時間以上」と回答した人が合わせて67%に上った。休日出勤は減ったものの、平日の長時間労働が依然として減らない実態が浮かび上がった。

 自由回答で健康状態について尋ねると、「朝スッと起きられない。寝る時も考え事をしてしまう」「毎晩ストレス性のじんましんが出る」といった健康不安を訴える声が多数集まった。

 1年目の教職員には「初任者研修」が義務づけられている。コロナ期に研修の多くがオンデマンドやオンラインに移行したが、それらを受講する時間が勤務時間内に確保されておらず、負担の軽減を求める声も目立ったという。

 ほかにも「勤務時間外の打ち合わせや会議がある」「有給休暇を取らせてもらえない」などという回答があった。

 京教組の中野宏之・執行委員長は「慢性的な教員不足で、新任教員を迎える先輩教員にも全く余裕がない状況だ。抜本的な解決策は教員を増やすことしかない」と指摘する。対応策を検討し、4月に府教委などに申し入れを行う。

=朝日新聞デジタル2024年03月21日掲載