「音楽大学・音楽学部体験フェア2025」が6月8日、東京・有楽町の有楽町朝日ホールで開催され、音楽大学や音楽学部への進学に関心のある中高生や保護者らが集まりました。ステージでは、各大学が趣向を凝らしたプレゼンテーションを披露。個別相談会には、大学で音楽を学ぶための準備や卒業後の進路など、来場者から多くの質問が寄せられました。当日の様子を写真でレポートします。

ステージ発表順(大学名をクリックすると遷移します)

東京音楽大学
愛知県立芸術大学
桐朋学園大学・桐朋学園芸術短期大学
大阪芸術大学
昭和音楽大学・昭和音楽大学短期大学部
沖縄県立芸術大学
武蔵野音楽大学
東邦音楽大学・東邦音楽短期大学
国立音楽大学

東京音楽大学

伝統と革新が共存する音楽大学

個別相談会の様子/東京音楽大学

【大学からのメッセージ】
2025年東京音楽大学は118周年を迎えます。前身の東洋音楽学校は1907年創設。震災と戦争で校舎を焼失するも教育を続け、本学の基盤を固めました。本学は、一世紀有余にわたり多くの音楽家や教育者を輩出してきました。伝統的な演奏・創作の教育には、一流の教員の手厚い指導が用意されています。  

創立者・鈴木米次郎が唱えた「音楽を通して社会に貢献する」という理念に基づき、本学は、伝統と革新を共存させつつ、時代の要請に応える人づくりを続けてまいります。

プレゼンテーションでは器楽専攻について紹介/東京音楽大学

ステージでは、昨年に引き続き本学映画・放送音楽コース(現:作曲「ミュージック・メディアコース」)卒業生で作曲家、編曲家である横内日菜子さんが、クラシックの名曲、リスト:パガニーニ大練習曲集第6曲「主題と変奏」を打ち込みの電子オーケストラに編曲した音源にのせて、本学修士課程器楽専攻鍵盤楽器研究領域(ピアノ)1年の塩﨑基央さんがピアノを披露しました。

ピアノ演奏を披露する塩﨑基央さん/東京音楽大学

【登壇者】
プレゼンター:藤田 茂 教授
学生による演奏およびコメント:塩﨑 基央 修士課程 器楽専攻 鍵盤楽器研究領域(ピアノ)1年
卒業生(作曲者)によるコメント:横内 日菜子 作曲「ミュージック・メディアコース」助手、2021年映画・放送音楽コース卒業

愛知県立芸術大学

「夢を鍛える森。」

個別相談会の様子/愛知県立芸術大学

【大学からのメッセージ】
愛知県立芸術大学は、創立当初から広大な緑の森の中にキャンパスを構え、学生一人ひとりに対して、個人指導が全うできるカリキュラムを誇っています。このような、いわば「芸術村的な環境」が、都会にある大学には無い良さであり、これからも変わることのない魅力の根幹です。

音楽学部は、専門分野に関する知識・技能・社会的対応力、幅広い教養を身につけた、国際的視野に立った音楽家、作曲家、研究者、創造的に音楽に関わる優れた人材の育成を目標として、授業のニーズに合わせた様々な設備・環境の下で、多様な学生の個性を引き出すために少人数教育できめ細やかな指導を行っております。

音楽学部音楽科のコースを説明/愛知県立芸術大学

 【登壇者】
大学説明 成本 理香 教授
演奏  (デュオ)中尾 純教授、森 寿美准教授
     F.シューベルト: ます D550R.シュトラウス: 密やかな誘い 作品27-3
    (ソロ)中尾 純教授 S.ラフマニノフ: 絵画的練習曲 ニ長調 作品39-9

演奏を披露する中尾 純教授(ピアノ)と森 寿美准教授(声楽)/愛知県立芸術大学

桐朋学園大学・桐朋学園芸術短期大学

圧倒的なレベルと密度の演奏部門に加えて、新たに2つの専攻が登場!

相談会の様子/桐朋学園大学・桐朋学園芸術短期大学

【大学からのメッセージ】
桐朋学園大学はこれまで、多数の世界的な音楽家を輩出し続けてきました。その秘訣は、少人数教育による密度の高いクラス運営、そしてソルフェージュとアンサンブル能力を徹底的に重視した教育姿勢にあります。

この方針は今後とも変わりませんが、21世紀を迎えてからわれわれは、本学での学びを社会に出てからどう生かすかについても真剣に考えるようになりました。「世界レベルの音楽家」という分かりやすいゴールを示すだけでなく、音楽の専門知識を生かしながら社会のなかで生きてゆく知恵とスキルを学生に与えねばならない……。こうしてわれわれは少しずつ変わり始めました。今回のプレゼンテーションでは新しい2専攻を軸にしながら、21世紀の桐朋のかたちをご覧いただきます。挑戦はまだまだ続きます。

ステージで講演する音楽学部学部長の沼野 雄司教授/桐朋学園大学

【登壇者】
沼野 雄司 学部長(教授、音楽学)
余田 有希子 (准教授、作曲、MSD

シューマン:3つのロマンスより第2曲 "Einfach, innig" Op.94を学生が披露 /桐朋学園大学

大阪芸術大学

大阪芸術大学音楽系で拓くアートの扉 ~総合芸術大学で音楽を学ぶメリット~

相談会の様子/大阪芸術大学

【大学からのメッセージ】
大阪芸術大学の音楽学科では作曲、音響、理論などを、演奏学科ではクラシックから現代音楽まで幅広い実技を学びます。実践的なカリキュラムに加え、現役のプロ講師による個別指導やアンサンブルの授業も充実しています。

キャンパスには専用のレッスン室や録音スタジオ、コンサートホールなど、学びを支える充実した施設・設備が整っており、音楽を深く追求できる理想的な環境が整っています。音楽を通じて、自分の表現力と将来の可能性を広げることができます。

音楽学科長の高田耕至教授/大阪芸術大学

【登壇者】
音楽学科長 教授 高田 耕至 プロデューサー
演奏学科 教授 仲道 祐子 ピアノ
演奏学科 講師 髙橋 純 声楽

演奏学科の仲道祐子教授がピアノ演奏を披露

 昭和音楽大学・昭和音楽大学短期大学部

『劇場・ホールがあるキャンパスで“本物”を学ぶ!』~将来の可能性を広げる22の選択肢~

相談会の様子/昭和音楽大学・昭和音楽大学短期大学部

【大学からのメッセージ】
“本物の舞台”で実践重視の学修ができる体制が昭和音楽大学の大きな特長です。学内には、ヨーロッパの伝統を継承する劇場「テアトロ・ジーリオ・ショウワ」をはじめ、ユリホール、バレエスタジオ、レコーディングスタジオなど、プロの現場と遜色のない充実した施設環境を整えています。
 また、作曲、器楽、声楽、ジャズ、ポップ&ロックミュージック、アートマネジメント、舞台スタッフ、ミュージカル、バレエ、音楽療法等、音楽、舞台芸術に関する多彩な22コースを開設し、音楽を専門的に学べる充実した学修環境を整えています。

上坂哲生さん(ピアノ演奏家コース3年)による演奏/昭和音楽大学

第25回ショパン国際ピアノコンクールin ASIA大学生部門アジア大会などをはじめ、数々のコンクールで入賞し、オーケストラとの共演やアジア諸国での演奏など幅広く活躍しているピアニストの上坂哲生さん(ピアノ演奏家コース3年)が演奏を披露しました。

演奏後に大学の魅力を話す上坂さん/昭和音楽大学・昭和音楽大学短期大学部

 沖縄県立芸術大学

世界遺産・首里城の麓で感性を磨く〜沖縄から未来へつなぐ新しい文化芸術の創造を〜

相談会の様子/沖縄県立芸術大学

【大学からのメッセージ】
公立大学法人沖縄県立芸術大学は来年開学40年目を迎えます。「沖縄文化が造り上げてきた個性の美と人類普遍の美を追求すること」を建学の精神に掲げ、これまで演奏家、教育者、研究者をはじめとして、音楽芸術分野で幅広く活躍する多様な人材を育ててきました。キャンパスは世界遺産・首里城の麓にあり、豊かな自然にかこまれた歴史ある美しい景観の中で、自由に芸術的な感性を育むことができます。

3つの専攻など教育の特色を説明する向井大策准教授/沖縄県立芸術大学

音楽学部は、沖縄の伝統芸能を学ぶ「琉球芸能専攻」、西洋音楽の声楽・ピアノ・弦楽・管打楽・作曲を学べる「音楽表現専攻」、そして沖縄をはじめとする世界の音楽文化とアートマネジメントを学べる「音楽文化専攻」の3つの専攻からなり、少人数制のきめこまやかな教育を特色とします。

夏と冬にオープンキャンパスを予定している/沖縄県立芸術大学

 武蔵野音楽大学

理想的な演奏・学修環境の実現 〜伝統と先進が響き合う未来へ〜

相談会の様子/武蔵野音楽大学

【大学からのメッセージ】

武蔵野音楽大学は、建学の精神を「〈和〉のこころ」、教育方針を「音楽芸術の研鑽」「人間形成」と掲げ、感性を磨きながら音楽芸術を深く学び究めることに加え、豊かな人格と礼節を備えることを教育目標としています。さらに、「礼儀(Propriety)」、「清潔(Purity)」、「時間厳守(Punctuality)」の生活の規範を「3P主義」と呼び、平素の生活において実践することを求めています。

学生がオペラ「愛の妙薬」より「ラララの二重唱」を披露/武蔵野音楽大学

この教育目標を達成するための学科やコース、柔軟かつ幅広い学びが可能な独自のカリキュラム、学生サポート・進路、江古田キャンパスや新しい学生寮について、プレゼンテーションで発表され、ドニゼッティ「愛の妙薬」とモーツァルト「魔笛」より学生による声楽二重唱が披露されました。

演奏後に大学の魅力を話す学生たち/武蔵野音楽大学

東邦音楽大学・東邦音楽短期大学

高い専門性と音楽で培われたコミュニケーション能力で時代の変化に柔軟に対応できる人材の育成

相談会の様子/東邦音楽大学・東邦音楽短期大学

【大学からのメッセージ】
本学では、個性を尊重する少人数制教育を実践し、学生一人ひとりの成長を促す指導体制を取っています。ウィーンでの短期留学プログラム「ウィーンアカデミー」は、文化と歴史に触れ、更に高度な音楽性を修得する動機づけになっています。課題解決型プログラム「東邦スタンダード」では、将来のキャリアも見据えた教育を展開し、教育現場でのスペシャリストを養成する教員養成プログラム、資格取得の為の実践学修を提供する音楽療法士プログラムは、社会に貢献する人材育成の役割を担っています。

教務部長の中島裕紀教授が大学の特色を説明/東邦音楽大学

また、エンターテインメント業界全般で活躍できる人材育成にも領域を広げ、2027年からは新たな総合スタジオを中心に、さらに現代のニーズに合った音楽を総合的に学ぶ大学に変化を遂げてまいります。

A.カプレ「ピアノと管楽器のための五重奏曲 第1楽章」を演奏する学生たち/東邦音楽大学

国立音楽大学

学生の学びたい気持ちを手厚くサポートする “くにおん独自の教育システム 〜コース制の紹介〜

相談会の様子/国立音楽大学

【大学からのメッセージ】
国立音楽大学は「自由、自主、自律」の基本精神に基づき、日本および世界の文化の発展に寄与できる良識ある音楽家、教育家の育成を目指しています。その根幹となるのが、“くにおん”にしかない、“くにおん”独自の学びのシステム「コース制」です。12年次で基礎教育を徹底した後、34年次は卒業後の進路を見据え、専門性をより高めたり、もう一つの専門を学んで未来への可能性を広めたり、充実したカリキュラムが組まれています。

独自の学びのシステム「コース制」について説明/国立音楽大学

ステージでは、「鍵盤楽器ソリスト・コース」と「アンサンブル・ピアノ・コース」に在籍する学生の演奏を交えながら、自己成長を促進するコース制に特化した発表が行われました。

「鍵盤楽器ソリスト・コース」と「アンサンブル・ピアノ・コース」に在籍する学生らが演奏/国立音楽大学

【登壇者】
新納 洋介(鍵盤楽器専修 准教授)
大泉 華美(音楽学部 演奏・創作学科鍵盤楽器専修(ピアノ) 3年 鍵盤楽器ソリスト・コース)
島田 愛梨(音楽学部 演奏・創作学科鍵盤楽器専修(ピアノ) 3年 アンサンブル・ピアノ・コース)
吉川 葉奈乃(大学院修士課程 声楽専攻 歌曲コース 1年)