全国一人口が少ない東京都青ケ島村(4月1日現在で144人)は、村立小中学校の「離島留学生」の募集を始めた。子どもが減り、学校存続が危ぶまれる事態を脱しようとの狙いだ。
村では一昨年度から、有志の島民が「里親」になって、島外の中学生を受け入れ始めた。1年間の「留学生」として、今年度までに計8人が島に来た。
村の事業としての実施を求める声があり、昨年度から、村と島民が離島留学推進協議会を立ち上げ、話し合いを重ねてきた。その結果、協議会は来年4月から1年間、小中学生の若干名を募集することにした。
島民の「里親」が受け入れる「しま親留学」は、小学4年~中学生が対象。委託費として保護者は月3万円を負担し、村が5万円を補助する(月16日以上滞在の場合)。
家族で転入する「親子留学」は小学1年~中学生が対象で、村営住宅の家賃を減免する。
田中孝明・村教育長は「官民一体で島留学を支え、子どもたちには豊かな島暮らしを体験してほしい」と話す。
村立小学校では現在、全校児童が6人で、2年生と5年生はいない。高木孝輔副校長は「同級生がいない子もいる。島の子にとっても、留学生が来て環境が変わる意味は大きい。この島でしかできない貴重な体験をしてほしい」と話す。
申し込みは7月19日まで。問い合わせは同協議会事務局(電話04996・9・0201)、募集の詳細は村サイト(https://www.vill.aogashima.tokyo.jp/top.html)へ。
=朝日新聞デジタル2024年04月25日掲載