国が公立中学校の部活動の地域移行を進める中、日本部活指導研究協会が11日、「全国部活指導者マップ」を開設した(https://bukatsu-japan.at-japannet.jp/)。指導者を必要とする学校や自治体と、指導する場を探している個人を結ぶマッチングの支援サービスだ。
マップでは、都道府県別に指導希望者を検索できる。教えられる専門分野が運動部、文化部の69の領域に分かれ、現在は約600人が登録されている。
依頼する側は年代や地域など、指導者の情報をみて直接オファーを出し、指導者と交渉を進められる。地域部活動の運営を自治体から受託した企業の利用も、期待されるという。
指導者の登録は無料。指導者の情報の閲覧には、同協会の賛助会員になり、年会費を払う必要がある。
一般社団法人の同協会は、学校外の指導者が多く関わるようになる地域移行などに伴い、学校での部活動の位置づけや教育的意義について理解を深めた指導者を増やすために、「部活動指導員」の検定試験を設けている。マップではその資格の有無も明示される。検定を受けていない指導者も登録できるが、現時点では、登録者の約8割が検定に合格しているという。
国は中学校の部活動について、少子化で廃部や休部が増え、学校単位の活動が難しいケースへの対応や、顧問を務める教員の負担を減らす狙いから、2023年度からの3年間を「改革推進期間」と位置づけ、地域移行を推進。今年度は運動部活動の地域移行などに向けた実証事業を、全国の339自治体がスポーツ庁から受託している。その中で指導者の質と量の確保が、課題の一つとなっている。
同協会は「外部の人材の活用が指導者不足の解消につながる。登録人数の増加と指導者の質の向上を目指したい」と説明している。
=朝日新聞デジタル2024年03月11日掲載