朝日新聞は4月21日、「花まる先生と考える『未来の教育』プロジェクト」として、教職員向け無料セミナー「多様な子とつくる授業・学級」を開催しました。

第1部では、軽井沢風越学園校長の岩瀬直樹さんが「子どもたちとつくる学び~軽井沢風越学園の実践より」をテーマに講演。幼稚園と義務教育学校からなる同学園は2020年に開校・開園し、異年齢の子どもたちが一緒に学んでいます。「経験することすべてが学び」ととらえていること、部活動はなくやりたい活動は自分たちで立ち上げるなど「つくる」経験を大切にしていることなどを紹介しました。

第2部は、「多様性を前提とした新しい授業・学級づくり」と題して、NPO法人授業づくりネットワーク理事長の石川晋さん、石川県加賀市教育委員会教育推進プロジェクトマネージャーの佐々木潤さん、放送大学客員教授の佐藤幸江さんが登壇しました。石川さんは「多様性といっても、必要なのは自分たちの学校、教室、子どもたちをよく見て考えること」と話し、佐々木さんは一斉指導に限界を感じて2010年ごろから始めたという「個別最適な学び・協働的な学びを採り入れた授業」について説明しました。佐藤さんは、子どもたち一人ひとりが自立した学習者となれるよう、これからの教師には「学習環境をつくり、伴走すること」が求めれる、としました。

朝日新聞は、魅力的な先生の授業を取材し、16年間にわたって連載「花まる先生 公開授業」で紹介してきました。寺子屋朝日の「花まる先生と考える『未来の教育』プロジェクト」では、これからの時代の授業、学校、教師のあり方について考えるため、連載にご登場いただいた先生方を講師に迎え、様々なテーマでウェビナーを開催しています。今後もご期待ください。

イベント登壇者

岩瀬直樹さん(いわせ なおき 軽井沢風越学園校長)
埼玉県の公立小学校教諭として22年間勤め、学習者中心の授業・学級・学校づくりに取り組む。2015年から東京学芸大学大学院教育学研究科教育実践創成講座准教授。16年から軽井沢風越学園の設立準備財団に参画し、20年4月、同学園の幼稚園と義務教育学校の開園・開校で、校長に就任。

石川晋さん(いしかわ しん ばん走者、NPO法人授業づくりネットワーク理事長)
北海道の公立中学校教諭として28年間勤めた後、都内を拠点に教職員個人や学校のばん走を年間160校ほどしている。また雑誌「We」や「授業づくりネットワーク」に執筆を続けている。2022年度・23年度は横浜市の公立小で講師として高学年国語専科を担当。

佐々木潤さん(ささき じゅん 石川県加賀市教育委員会教育推進プロジェクトマネージャー)
1985年から宮城県の公立小学校教諭に。23年3月に退職し、同4月から現職。石川県加賀市の教育改革に携わっている。「個別最適な学び×協働的な学び×ICT入門 」(明治図書)、「社会科授業がどんどん楽しくなる仕掛け術」(同)など著書多数。

佐藤幸江さん(さとう ゆきえ 放送大学客員教授)
横浜市の公立小学校主幹教諭、金沢星稜大学人間科学部教授を経て,2020年から放送大学客員教授。専門は情報教育・教師教育。各地のICT推進事業や校内研修の講師等を務める。「カリキュラム・マネジメントで実現する学びの未来」(翔泳社)、「小学校国語学習者用デジタル教科書徹底活用ガイド」(明治図書)など著書多数。

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