宇宙や地球、自然環境から、科学技術や歴史、文化、芸術、身近な生活に関わるものまで、コンセプトに応じてさまざまな資料を展示している博物館。それは、私たちを未知の世界へといざなってくれます。博物館をはじめとした学びスポットなどを紹介するブログ「知の冒険」で知られる丹治俊樹さんを案内人に、好奇心のスイッチをオンにして、博物館へ行ってみませんか。「SDGsにつながる学び」の観点で選んだ施設を中心に紹介します。初回は平和について考える場、「都立第五福竜丸展示館」です。

丹治 俊樹(たんじ・としき)
博物館マニア・日本再発掘ブロガー。フリーエンジニアのかたわら、日本の知られざる場所を発掘して取材・調査をまとめたブログ「知の冒険」を運営。本業でうつ病を患うも、博物館が好きすぎて、本業以外の時間を全て日本全国の博物館取材に費やす。ブログを始めてからの6年間で訪問した博物館は、約750カ所にのぼる。日々博物館の魅力を発信している。

博物館を通して平和を学ぶ

毎年春と秋は、全国の学校で修学旅行が行われる時期です。東京都の江東区、夢の島公園の園内に位置する都立第五福竜丸展示館は、全国からたくさんの学校団体を引き受けており、その多くが修学旅行による受け入れとなっています。

一般客としては入館が無料ということもあり、夢の島公園を訪れた方がふらっと寄ってくることが多く、ガイドブックに載っていない穴場スポットとして外国の方も訪れるそうです。

展示館の中心にドカンと置かれた第五福竜丸=東京都江東区(いずれも著者撮影)

実際に水爆実験の被害に遭い、教科書にも載っている本物の第五福竜丸が、そのままの大きさで見られるインパクトが大きい展示だけに、子どもたちに”平和”というテーマを教える際、大いに生かせる場所になるはずです。

同館は1976年に開館しました。