学習管理アプリStudyplus(スタディプラス)のユーザーからトレンドを研究する「Studyplusトレンド研究所」は2024年1月、高校生を対象に実施した「"金融教育"と"お金"に関する調査」の結果を発表しました。調査は23年12月5日~12月7日にアプリ上で実施し、512人の回答を集めたそうです。今回はランキングの中から「将来、お金を稼ぐためにしたいことを教えてください」(複数回答)という設問に寄せられた回答をランキングで5位から紹介します。

5位 海外で働きたい(20.9%)

5位は「海外で働きたい」(20.9%)でした。海外勤務に憧れる気持ち……良く分かります。私も学生時代は異国の地で流暢に外国語を話す大人になりたいと思っていましたが、いまだに外国語を勉強する努力が出来ていません。それどころか外国人旅行者に話しかけられてもあたふたしてしまう始末。一方で学生時代は同じぐらいの語学力だった同級生が海外で働き始めて、今では流暢に話せているのを見ると、つい後悔してしまいます。同級生は「何とかなるよ」と言っていましたが、その一歩を踏み出す勇気が大切なのだと思います。

4位 公務員になりたい(25.0%)

4位は「公務員になりたい」(25.0%)でした。やはり「安定的に働き、収入を得たい」という傾向は根強いようです。その一方、最近は若者の「公務員離れ」というニュースも話題になっています。人気の就職希望先は都市部に集中しがちなため、地方の自治体は採用活動の改善に取り組んでいるようです。記者は仕事柄、公務員の方との接点が多いのですが、一口に公務員といっても仕事の内容は様々で、まさに「職種のデパート」といった感じ。「やりたい仕事」が決まらない時にも心強い選択肢なのかも知れませんね。

3位 弁護士や医師などの難関資格を取りたい(27.7%)

3位に選ばれたのは「弁護士や医師などの難関資格を取りたい」(27.7%)でした。弁護士や医師は、テレビドラマでもよく描かれる仕事の代表格ですよね。資格を取るのが難しいからこそ、仕事に困ることが無さそうというイメージもあります。仕事内容の魅力と、安定性が人気を集めたのでしょうか。

医師のイメージ画像

2位 副業したい(29.9%)

2位は「副業したい」(29.9%)でした。こちらは最近の動向を表しているように思います。政府が掲げた「働き方改革」の中でも副業・兼業の促進が明記されました。これまで副業を禁止していた企業でも解禁する動きが広がっており、収入アップやキャリアアップのための自己研鑽として副業に取り組む人も多いようです。長く景気が停滞してきた日本では、給与が上がりにくいという状況が続いていたので、収入面で不安を感じている学生が多いのかも知れませんね。

1位 大企業に就職したい(44.9%)

1位は「大企業に就職したい」(44.9%)でした。安定していて高収入が見込めるというイメージが強い大企業は、今でも学生の人気の中心のようです。一方で、こうした強すぎる大企業志向は、日本でスタートアップ企業が生まれにくい要因とも言われています。昨年の朝日新聞紙面に日本のスタートアップの現状をテーマにしたインタビュー記事が掲載されていましたが、そこで専門家が指摘していたのは、諸外国に比べてアントレプレナーシップ(起業家精神)を学ぶ機会が少なかったことや、大人世代がスタートアップに対して否定的な感情を持っていることでした。将来の予測が困難なVUCA時代と言われていますが、教員の方々は学生の進路に関する相談を受けることも多いと思いますので、今回のランキングが参考になれば幸いです。