公立学校教員には残業代を支払わない代わりに、教職調整額を上乗せすることを規定した「教育職員給与特別措置法」(給特法)の見直しが議論となる中、自民党の「令和の教育人材確保実現プラン」が5月に公表されました。給特法の基本的な枠組みは維持しつつ、現在は給料月額の4%の教職調整額を10%以上に増額することなどを打ち出しています。狙いはどんなところにあるのでしょう。提言をまとめた特命委員会の委員長で、元文部科学相の萩生田光一・自民党政務調査会長に聞きました。併せて、文科相の諮問機関・中央教育審議会の「質の高い教師の確保特別部会」が8月末に出した緊急提言の概要をお伝えします。
萩生田光一さんインタビュー
1963年8月、東京生まれ。八王子市議、東京都議を経て、2003年11月の衆院選で初当選し、現在6期目。内閣官房副長官、内閣人事局長、自民党幹事長代行などを歴任し、2019年に文科相、2021年に経済産業相に就任。2022年から党政調会長。趣味は映画鑑賞、スポーツ観戦。
――中教審部会の緊急提言について、どんな点に注目しましたか
できることを直ちに行うという考えの下、国や都道府県、市町村、各学校などがそれぞれ主体的に取り組むべきであること、また保護者や地域住民、企業など社会全体が一丸となって対応していく重要性が示されているな、と思いました。私たちもスピード感をもって改革を進めるべきだと考えていますので、軌を一にするものと受け止めています。
小学校高学年での教科担任制の強化、教員業務支援員の全小中学校への配置をはじめとした支援スタッフの充実、主任手当や管理職手当の額など処遇の改善といった内容は、私たちの特命委員会の提言を具体策にしたものでもあります。