公立学校教員の給与制度の見直しをめぐる議論が本格化してきました。議論の中心には、公立学校教員には原則として残業代を支払わない代わりに、給料月額の4%の教職調整額を支給する「教育職員給与特別措置法」(給特法)の存在があります。「定額働かせ放題」と批判されてきた法律をどうするのか。教員の長時間労働はどうしたら是正できるか。関係者へのインタビューをシリーズでお届けします。初回は日本教職員組合(日教組)委員長の瀧本司さんです。

瀧本 司(たきもと・つかさ)
1965年、北海道生まれ。90年、北海道岩見沢市立志文小学校教諭。95年に北教組空知南支部南幌町支会書記長に就いたのを皮切りに、02年に北教組中央執行委員、12年日教組中央執行委員、16年書記次長、20年書記長を経て、22年3月の大会で委員長に就任。趣味はドライブと音楽(ジャズ)鑑賞。

瀧本司・日教組委員長インタビュー

――給特法をめぐる文部科学省の有識者会議などの議論をどうみていますか。

2019年の給特法改正前から、教員の勤務実態を調査して働き方改革を進めようとする文部科学省の姿勢は好意的に受け止めています。ただ、月々の時間外勤務について、文科省の定める上限基準の45時間を超えた教員の割合が若干減少傾向だから改革が進んでいると評価している。これで順調に改革が進んでいるなんて冗談ではない、というのが本音です。

たとえば月の時間外勤務が10時間程度なら1日30分ほどですから、先生たちは仕方ないと思ってくれると思う。でも先月公表された教員勤務実態調査速報値では、過労死ラインを超えている人が中学校では37%、小学校で14%もいる中で、楽になったなどと思うはずがありません。