年度が新しくなると、学校は新入生を迎えるだけでなく、先生たちも異動します。学年が上がるのに伴ってクラス替えや担任の先生が代わることもあるでしょう。学校の忙しさは始業式ごろまでの年度初めの時期、いつも以上に厳しくなっているのではないでしょうか。教員や元教員らでつくるNPO法人のSchool Voice Projectは、新年度が始まる4月1日から春休みが終わるまでの「新年度準備期間」がどれくらいあるのか全国調査したうえで、春休みの終わりを後ろ倒しし、新年度の準備期間を十分に取ることを提言しています。同法人理事で教育ファシリテーターの武田緑さんからの報告です。

武田 緑(たけだ・みどり)
NPO法人School Voice Project理事、教育ファシリテーター。学校現場をはじめ多様な関係者とつながりながら、イベント企画や研修、執筆、教育運動づくりなどに取り組む。現在は大人も子どもも幸せでインクルーシブな学校教育の実現を目指して、NPO法人School Voice Project(https://school-voice-pj.org)の活動に特に注力している。関心テーマは「人権教育」と「教育の民主化」。

多くの学校で、新年度が始まる4月の忙しさは大きな課題になっています。しかし、4月の始業式の日程が、自治体によって違うことはご存じでしょうか?早いところで4月3日から始まる地域もあれば、かなりゆっくり4月12日から始まる地域もあり、実は相当バラバラなのです。

年度当初というのは、教職員の業務量が非常に多くなります。また職場組織としても、児童生徒の学び場としても「心機一転、新たなスタート」を切るタイミングでもあることから、特に重要な時期です。