LGBTQ+について解説するシリーズの前編では、性的マイノリティーの人たちが想像以上に多いことなどを紹介しました。後編では、当事者の生徒たちが学校生活で困ることや、カミングアウトされたときに気をつけたいことについて、前編に引き続き社会応援ネットワークの高比良美穂・代表理事が解説します。

高比良 美穂(たかひら・みほ)
一般社団法人社会応援ネットワーク代表理事。「子ども応援便り」編集長。朝日新聞社でメディアプロデューサー、若者向け新聞「SEVEN」の編集長などを経て2002年に独立。「子ども応援便り」「がっこう応援便り」などの編集長を歴任し、11年、東日本大震災の被災地の学校からの要望で避難所にメッセージ号外を配布したことをきっかけに団体を設立。以後、全国の学校や保護者団体と連携し、「学校に今、必要なこと」に応え、心のケアや防災教育、多様性などのテーマで情報提供や出前授業などの活動を続ける。20年、コロナ禍での悩みに応えるためのサイト「こころの健康サポート部」を立ち上げる。主な著書に「図解でわかる 14歳からのストレスと心のケア」、「図解でわかる 14歳からのLGBTQ+」(太田出版)など。

生徒たちはいつ、誰に打ち明けている?

前編では、性的マイノリティーの人が性に違和感を持つ時期やきっかけについて紹介しました。性自認や性的指向のマイノリティーを自覚したとしても、なかなか他者に話すのは難しいのが実情のようです。

「いのちリスペクト ホワイト・リボンキャンペーン」の2013年の調査では、約6割の人がすぐには言えなかったと答えています。高校生までの間に誰にも言えなかった人が4割。特に、法律上の男子の場合は誰にも話せなかった人が5割を超えています。

「図解でわかる 14歳からのLGBTQ+」(社会応援ネットワーク/太田出版)から作成

打ち明けた人が話した相手は圧倒的に友人が多く、7割となっています。レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルについては、家族も含めて大人に話すのは1割程度。トランスジェンダーについては、「伝えておかないと学校生活に困る」との理由から比較的多いのですが、それでも3割程度です。子どもたちに聞くと「話しやすい大人に話している」と言いますが、結局は身近である担任や部活の顧問の先生に打ち明けることが多いようです。「直接的にフォローしてもらわなければならないから」というのが主な理由です。

「図解でわかる 14歳からのLGBTQ+」(社会応援ネットワーク/太田出版)から作成

「カミングアウト」された際に気をつけるべきこと

学校の教職員の皆さんからの相談で多いのが、「カミングアウト」(本人が選んだ人に、直接自分の性的指向や性自認を伝えること)と「アウティング」(第三者が、本人の意図に反して勝手に他者に伝えてしまうこと)です。「急に打ち明けられたらどう対応したらよいのか」「どこまでがアウティングになるのかが分からない」など、打ち明けてもらいたいけど、対応が不安だという人が多いようです。