学校保健法は、生徒や教員の健康の保持増進や安全の確保についてまとめられた法律です。具体的には、「学校保健」「学校安全」の二点において、保健室の設置、安全計画策定などを学校に義務付けています。本記事では、2023年の改正内容も含めた同法の内容を、学校保健の専門家がわかりやすく解説します。
目次
1.学校保健安全法とは
学校保健安全法は、学校教育の円滑な実施とその成果の確保に資することを目的としています。そのために、児童生徒や教員の健康の保持増進、そして安全な環境づくりによる安全確保についての事項が定められています。
現行の学校保健安全法とその関連法規は、2009年より施行されました。同法の施行以前、学校における事件・事故や災害などの危機に対する、学校安全の必要性が高まっていました。そこで、従前より児童生徒の健康を守るための項目がまとめられた学校保健法に、児童生徒の安全を守るための項目が追加され、学校保健安全法と改められたのです。
(1)学校保健と学校安全
学校保健安全法では、大きく「学校保健」と「学校安全」に関する項目がまとめられています。
学校保健では、児童生徒・教員の心身の健康を保持増進するため、施設・設備や管理運営体制を整備し、必要な措置を講じることなどがまとめられています。具体的な内容は、以下のとおりです。