朝日新聞は、1月7日、小、中、高校をつなぐ英語教育のあり方や英語の授業実践について考える無料ウェビナー「花まる先生と考える『未来の教育』プロジェクト 使える英語 小中高のつながりは?」を開催しました。

第1部は「小学校英語から中学、高校へつなぐには」と題し、小、中、高校それぞれの教育現場を知る3人に登壇いただきました。東京都内の公立小学校主任教諭でKids Global Empowerment代表の川村克枝さんは、苗木を植えて実がなるまで4、5年かかるリンゴを引き合いに、「小学校の外国語の2年間、中学校の3年間、連携して育むことで子どもたちは力をつけていく」と述べました。

秋田県立秋田南高校中等部教諭の吉澤孝幸さんは、「言語活動で小中高をつなぐことは可能だと思う」と説明し、一つ前の学年の言語材料を使うことを提案しました。都内の公立中高一貫校などで長年英語教育に当たった都留文科大、東京女子大非常勤講師の本多敏幸さんは、聞いたり読んだりしたことについて英語で自分の考えを述べる産出的な活動を意識して行う大切さを強調しました。

第2部では、「ICTを活用したこれからの英語授業」と題し、文部科学省初等中等教育局視学官の直山木綿子さんが講演しました。直山さんは、ICTは言語活動を充実させる手段の一つだとして、「子どもが手段を選べることが大事です」と述べました。

朝日新聞は、魅力的な先生の授業を取材し、16年間にわたって連載「花まる先生 公開授業」で紹介してきました。寺子屋朝日の「花まる先生と考える『未来の教育』プロジェクト」では、これからの時代の授業、学校、教師のあり方について考えるため、連載にご登場いただいた先生方を講師に迎え、様々なテーマでウェビナーを開催しています。今後もご期待ください。

イベント登壇者

川村 克枝さん(かわむら・かつえ 主任教諭、Kids Global Empowerment代表)
金沢大学大学院教育学研究科修士課程修了、東京大学大学院総合文化研究科博士課程で研究活動を行う。東京都内の公立小学校などで勤務。英語専科6年目。東京都英語教育推進リーダー。区内教育研究会外国語部代表。TESOL英語教授法(豪)、TEYL児童英語教授法(米)修了。教員研究会Kids Global Empowermentを主催し、小・中を超えた学びの場を提供。

本多 敏幸さん(ほんだ・としゆき 都留文科大学、東京女子大学非常勤講師)
東京学芸大学大学院教育研究科修士課程修了。公立中学校及び中高一貫校にて約40年勤務。文部科学省の委員として現行の学習指導要領作成に携わる。NHKラジオ「中学生の基礎英語レベル1」講師。ELEC同友会英語教育学会会長。小・中学校の検定教科書作成にも携わり、「新・若手英語教師のためのよい授業をつくる32章」など著書多数。

吉澤 孝幸さん(よしざわ・たかゆき 秋田県立秋田南高等学校中等部教諭)
昭和女子大学大学院文学研究科博士課程在籍中。約30年間、秋田県の公立中学校で勤務。2014年に文部科学省・英語教育の在り方に関する有識者会議にて「即興力」を提案、現行指導要領で「やり取り」を担当。国立教育政策研究所の英語「話すこと」調査の問題作成・分析委員も務めた。18年パーマー賞受賞。著書に「生徒の即興力を高める!メモ式スピーキング」ほか。

直山 木綿子さん(なおやま・ゆうこ 文部科学省初等中等教育局視学官)
京都市立中学校の英語科教諭の後、同市総合教育センターカリキュラム開発支援センター初等英語担当指導主事、同市教育委員会・指導室指導主事などを歴任し、2009年度に文部科学省外国語教育推進室教科調査官に。国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官、学力調査官を経て、19年度から現職。全国で講演多数。

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