朝日新聞では2007年春から16年間にわたり、全国各地で魅力的な教育実践を繰り広げている先生の授業を取材し紹介する連載「花まる先生 公開授業」を続けてきました。寺子屋朝日は、「花まる先生」にご登場いただいた先生方を講師に迎え、これからの時代が求める教育について考えるセミナーを始めました。題して「花まる先生と考える『未来の教育』プロジェクト」です。プロローグとして8月27日、「新たな時代の個別最適で協働的な授業」を開催しました。「花まる先生と考える『未来の教育』プロジェクト」は今後も、小中学校の英語教育、ICT活用の実技教科など、さまざまなテーマで開催する予定です。新時代をつくっていく子どもたちの学びはどうあるべきか、ぜひご一緒に考えていきましょう。
27日のセミナーは、算数教育で知られ、全国算数授業研究会会長などを歴任した明星小学校長・明星大学客員教授の細水保宏さんのあいさつで始まりました。全体は3部構成。第1部は「本も新聞も読まない子どもたちの国語力を上げる方法」と題して国語教育を取り上げました。第2部は「こんな探究学習が! 中学入学前に身につけたいこと」、第3部は「発達障害の子や教室でつまずく子の指導法」をテーマに開き、計7人の講師にお話しいただきました。
イベント登壇者
コーディネーター 宮坂麻子(朝日新聞社編集委員)
●冒頭あいさつ
細水保宏さん(ほそみず・やすひろ 明星小学校校長・明星大学客員教授)
横浜市立小学校教諭、筑波大附属小学校副校長を経て、現職。算数教育で知 られ、全国算数授業研究会会長、「ガウスの会」会長などを歴任。YouTube「細水校長のワクワクチャンネル」も配信中。
●第1部 本も新聞も読まない子どもたちの国語力を上げる方法
弓削洋美さん(ゆげ・ひろみ 京都市立朱雀第七小学校教諭)
2002年京都市立小学校教諭に。児童自ら学習計画を立てる主体的な言語活動の授業を実践。『実践国語研究』ほか多数の雑誌に実践例執筆、言語活動に取り組む先生のためのサイト「TEAChannel」出演ほか。
鈴木秀樹さん(すずき・ひでき 東京学芸大学附属小金井小学校教諭)
2016年より現職。慶應義塾大非常勤講師。国語教育のほか、ICT×インクルーシブ教育の実現、デジタル教科書や生成AI活用でも注目される。著書に『ICT×インクルーシブ教育 誰一人取り残さない学びへの挑戦』ほか。
青山由紀さん(あおやま・ゆき 筑波大学附属小学校主幹教諭、筑波大学非常勤講師)
1998年より現職。全国の小学校で国語教育を指導。小学校国語教科書・書写教科書(光村図書)編集委員、『小学新国語辞典』編集、文部科学省・デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議委員も務める。
●第2部 こんな探究学習が! 中学入学前に身につけたいこと
大野智久さん(おおの・ともひさ 三田国際学園高等学校教諭 学習進路指導部主任)
専門は理科(生物)。進学校の都立国立高校などで13年間教え、2019年から現職。総合的探究の授業とともに、探究的活動を重視した理科も展 開。文部科学省・学習指導要領等の改善に係る検討に必要な専門的作業等協力者。
国領正博さん(こくりょう・まさひろ 立命館守山中学校・高等学校主幹教諭、ICT推進委員長)
滋賀県の公立中学の理科教諭、同県の研修指導主事などを24年間務め、ICT活用を推進した。2014年から現職。ICTをフル活用した授業展開 を進めつつ、関西を中心に研修講師なども勤める。ロイロ認定ティーチャー。
●第3部 発達障害の子や教室でつまずく子の指導法
井上賞子さん(いのうえ・しょうこ 島根県安来市立荒島小学校教諭)
島根県公立小学校教諭。通常学級で教えた後、2001年度から通級指導教室、特別支援学級を担当。学びにくさのある子への支援教材をアナログ、デジタル両方で開発。著者 に『学びにくさのある子への読み書き支援』ほか。全国で講演。
川上康則さん(かわかみ・やすのり 杉並区立済美養護学校主任教諭)
筑波大大学院修士課程修了。特別支援学校での指導を中心に、「授業のユニバーサルデザイン」の研究にも深くかかわる。公認心理師、臨床発達心理士、特別支援教育士SV。著書に『教室マルトリートメント』ほか。