学校に足が向かない子が通うフリースクールなどでつくる「信州フリースクール居場所等運営者連絡協議会」が設立された。子どもの居場所づくりをしている団体や当事者の「親の会」も含めた計17団体が集まり、現場の声を行政側に届け、学校との連携をはかる。
県内では昨年からフリースクールの運営者ら約30人が「交流会」をつくり、月1回ずつオンラインで情報交換してきた。4月から県がフリースクールの認証制度を設けたことを受けて、有志で交流会とは別に連絡協を立ち上げて、行政への提言活動に力を入れることにした。
連絡協は11日夜、松本市の会場と各地とをオンラインで結び設立総会を開いた。県の認証制度の課題を探るアンケートも月内に実施する。村上陽一代表(52)は「官民をつないで、県の認証制度に建設的に参加していく」と話す。
村上さん自身も茅野市のフリースクール「グリュック」の運営に携わる。国の調査で「不登校」とされた児童生徒のほかにも、クラスになじめず保健室で過ごしたり、遅刻や早退を繰り返したりする子が各学級で一定数を占めるとみる。県によると、県内の不登校の小中学生は2022年度に5735人で、5年前に比べて2.2倍に増えている。
「不登校に対するマイナスのイメージを変えたい。いろいろな方法で学びが保障され、生き生きと生活できることを知ってもらうことが大切」と村上さん。連絡協では「不登校とは関係ない」と思っている人たちに向けても、情報を発信したいという。PTAや教職員の会合などを通じて、不登校の子どもを取り巻く現状や課題について伝えていく。
=朝日新聞デジタル2024年05月14日掲載