「教員になる」と決めたのは、教育実習先の母校で生徒たちに囲まれた時だった。

「日常生活で人に囲まれるって、あまり経験がなかったので……。これは、なるしかないなと思いました」

改めて思い返すと、当時はそういう仕事こそが教員だと思っていた。一方で今の校長職はいわば教員をサポートする「黒衣」。まさか自分が管理職になるとは、想像もしていなかった。

小林整次(こばやし・せいじ)
1963年生まれ。愛知県公立高等学校長会会長。87年に国語科教員として県立高校に着任。2005年県教育委員会教職員課管理主事。同課主任主査を経て、11年に愛知県立加茂丘高校長。14年から県立熱田高校長。県教委高等学校教育課長、学習教育部長を経て、21年から県立旭丘高校長。週末の楽しみは尾張と三河を分ける境川沿いのランニング。