全国のユニークで個性豊かな部活を紹介する「#We are 個性派部活!」。第2回は、武蔵野大学付属千代田高等学院(東京都千代田区)の香道(こうどう)部を紹介します。全国でもほとんど見られない珍しい部活のため、同年代だけでなく年上の方にも興味を持ってもらえ、話が弾むといいます。指導するため香道の免状を取得した顧問の向笠敦子先生は、「日本の文化や歴史と深く結びついた香道を知ることで、自分の世界観が広がる」と魅力を話します。

校舎内にある和室で部活が始まった。香道では、香りをかぐことを「聞く」という。嗅覚(きゅうかく)だけでなく、五感を集中させて香りに向き合う。「香木が話しかけてくる言葉を、心を静めて『聞く』イメージです」と向笠先生。

この日行われたのは、何種類か香りを聞き比べ、それぞれの香りを当てる「組香(くみこう)」だ。「お点前始めさせていただきます」の言葉に部員が一礼する。香炉の中に熱した炭を置き、その上に灰をかぶせてきれいな山のような形に整え、筋をつける。山のてっぺんに雲母の薄い板でできた「銀葉(ぎんよう)」を置き、その上に小さく切られた香木を載せる。

香木は、長い時間をかけ、木の樹脂が熟成するなどして良い香りを放つようになったものだ。灰の上に直接香木を置くと、熱くなりすぎ焦げたりするため、それを防ぐのに銀葉を用いるという。

香道部のお点前風景(手元)
香道部のお点前。形を整えた灰の上に銀葉の置き、香木を載せる

香り聞き比べる組香 五感集中し向き合う

準備が整うと、自分の前に運ばれた香炉を左手に取り、右手でふたをするようにして親指と人さし指のすき間から香りを聞く。今回行われたのは「白河香」という組香で、