和歌山県新宮市の近畿大学付属新宮中学校で23日、金融大手・野村グループ(東京)の社員による出前授業「Nomura ビジネス・チャレンジ」があり、2年生29人が新しいアイデアによる起業や、投資について学んだ。

 講師は学校での金融教育を支援する部署の酒井賢一さんが務めた。酒井さんはジーンズやカップ麺の誕生を例に、「天才的なひらめきではなく、日常での気付きや困りごとの改善、より良い世界にしたいという情熱がイノベーションにつながる」と解説した。

 生徒は5~6人ずつ5班に分かれ、地域や学校生活での困りごとなどからアイデアを出し合い、班ごとにテーマを決めて新規事業を発表。100万円分の投資用シールを1人2枚ずつ手にし、魅力的だと思う他班の発表シートにシールを貼った。

 その結果、空飛ぶクルマによる物流サービスの展開を発表した班が1700万円分の「資金」を得て優勝。プレゼンテーションを主導した赤木幸仁さんは「皆で意見を出し合った結果、より良い内容の発表ができたと思います」と話した。

 酒井さんは「日本は人口減少社会だが、世界全体ではまだ人口が増えている。人工知能やロボットを使いこなす力をつけ、価値観や習慣が異なる人たちと仲間になれる大人になって」と生徒たちにエールを送った。

=朝日新聞デジタル2024年12月25日掲載