来年の大学入試改革が話題ですが、最近、大学から専門学校に志望変更をする人も少なくありません。そもそも専門学校で学ぶメリットとは何か?大学との学びの違いは何か?など、専門学校で学ぶことの基本的なポイントをお話しさせていただきたいと思います。
専門学校とはその道の「プロ」を育てる場所
専門学校での学びの特色とは、特定の分野で「プロ」として稼げる人材を育成するということに尽きます。(自分のなりたい)職業に直結した学びを受ける場所ともいえます。
学びの分野は「工業」「農業」「医療」「衛生」「教育・社会福祉」「商業実務」「服飾・家政」「文化・教養」の8つに大別されています。この中には「保育・看護」などのように大学・短大でも学べる分野もあれば、「調理・美容」のように大学・短大にはほとんどない、専門学校の独壇場といえる分野もあります。この中から自分が選んだ分野について徹底的に学び、その分野のプロになることを目指していくわけです。
「実習」と呼ばれる実技体験の学びが多いのも特色で、体験して身体で覚える学びに興味があるということも大事です。また、多くの学校がクラス担任制をとっていて生徒一人ひとりを丁寧に見てくれるのも小人数教育に強い専門学校ならではの良さでしょう。卒業後は学んだ分野と関連性の高い業界に進む人がほとんどです。
大学の学びは「広く」。専門学校は「深く」
専門学校と大学の学びの違いは何か?お伝えしたいのが「学び方」の差です。大学(特に文系)であれば多彩なテーマの学びを選択できるのが魅力であり、もし学びの内容や専攻にズレを感じても学科内のコース変更や履修科目選択で軌道修正がしやすいといえます。
一方で、専門学校はある1つのテーマについて徹底的に学ぶので興味関心がある人にとっては最高の学び場といえるのですが、入学後に進路変更がしにくいという点は注意しないといけません。入学後のミスマッチは取り返しがつきませんので専門学校に興味のある人は「本当にその分野で学びたいのか」をしっかり確認してから受験するようにしましょう。
授業欠席はもってのほか。しっかりと面倒を見てくれる学校を選びたい
専門学校の入学試験は面接が中心で大学のような筆記試験を課すというケースは少ないのですが(医療系は除く)、入学後の学びはやることが多くて大変です。
特に知っておいてほしいのは、業界で評価の高い専門学校ほど授業の欠席には大学以上に厳しいということです。専門学校はプロになるための「技術やスキル」を習得する場なので欠席をすると本当に遅れを取り戻すのが大変です。たとえば実技が多い調理などの分野で包丁の使い方を覚えるときに1つ授業を飛ばしてしまうと、細かい包丁の動きが把握できず、そこでついていけなくなってしまうこともありえます。体験することで技術を覚えなくてはいけない学びが多いのでノートを借りて済ませることは難しいのです。むしろ、授業だけでは分からない点があった場合などにも丁寧に時間を取って教えてくれる学校を選んでこそ、学費に見合った効果が期待できるでしょう。
次からの記事ではいくつかのチェックポイントをご紹介しながら「良い専門学校」の見分け方についてお話をさせていただきたいと思います。