認定NPO法人キッズドア(東京都中央区)は、経済的な理由で進学が困難な小中学生に中学校、高校の入学金や授業料、寮費などを免除する近畿大学の近大付属「子どもの未来サポートプラン」のオンラインで説明会を同プランの対象校とともに、9月30日午後7時~8時に開きます。

大学に特別推薦のチャンスも

近大付属新宮高校・中学校(和歌山県新宮市)と近大付属豊岡高校・中学校(兵庫県豊岡市)が2023年度入試で実施する同プランでは、21年分の住民税の所得割が非課税の世帯など経済的な事情があり、かつ勉学への強い関心と意欲があるなどの条件を満たす小中学生を対象に、入学金や授業料を全額免除するほか、寮費や食費なども免除し、制服や体操服、タブレット、修学旅行など学校生活に必要な費用も支援する。経済的な理由で大学進学を断念することのないようにする狙いで、両高校から近大に進学する場合は特別推薦入試も受験できる。

近大によると、募集人数は若干名だが、両校とも寮を完備しているため生徒の居住地域は限定せず、全国から募集する。

09年の創設以来、子どもの貧困の課題解決に取り組んできたキッズドアによると、学費や食費の免除に加え、制服や修学旅行の費用まで支える取り組みは極めて珍しいという。趣旨に賛同し、困窮家庭にアプローチできる特徴を生かして協力することにした。学習支援や食糧の支援を行っている家庭を対象に情報提供しているほか、つながりのあるひとり親支援団体や学習支援団体なども通じて参加を呼びかけている。

説明会には、両高校・中学校の関係者が出席し、どんな学校なのかや寮生活の実際、出願には学力がどれくらい必要か、といったことを説明する。開催にはいずれもZoomを使うため、あらかじめZoomをダウンロードしておく必要がある。キッズドアの担当者は「このような取り組みが他校にも広がり、困窮家庭の子どもたちの進路が広がることを何よりも願っている」と話す。

問い合わせはキッズドアファミリーサポート事務局(対応は平日正午~午後6時)へ。