――リーフレットの作成にあたって、アンケートを行ったそうですが、どのような結果が出たのでしょうか
配布端末の使い方に関する調査は昨年、全国の中高の教員156人と保護者149人からインターネットで回答を得ました。まず端末の使い方に関してですが、破損や紛失などのトラブルのほか、両者に共通していたのは「子どもが受け取った端末を使いすぎてしまうのではないか」という心配をしていることです。
「使いすぎ」に関しては、教員側の回答を見てみると、端末を自宅に持ち帰らせた教員の約半数(47.1%)がすでに起こったトラブルとして回答しており、まだ持ち帰っていない場合でも65.7%が「トラブルが心配だ」と感じていました。
保護者側の回答を見ると「長時間利用による視力低下」(27.5%)や「勉強以外での長時間利用」(25.5%)を心配していることが分かりました。
家庭でスマートフォンに慣れ親しんでいる子どもがいる一方で、全くそういった端末に触れていない子もいます。便利で魅力的な端末が手元に届くことで、のめり込んでしまうのではないかと感じているのでしょう。
このほか、保護者の回答で目立ったのは、「タブレットの破損」や紛失などでした。これは学校外で端末を破損した場合、保護者側が費用を負担することとしている地域が多いことが原因となっているのではないかと思います。
どこからが使い過ぎ?
――そうした結果を踏まえて実際に端末を使う際には、どのような点に注意すべきでしょうか
まず端末を使う際のルールを、子どもと対話しながら作ることが必要だと思います。その際に「大人と子どもの認識にずれがあること」を理解することがポイントです。
大人が不安に感じている「使いすぎ」の時間は、子どもが考える「使い過ぎ」と一致しているでしょうか? 「タブレットの破損」も同様です。「端末を大切に使う」という認識がずれていないですか?
タブレットの使い方も、見方によって互いの思いが食い違います。友達がプログラミングしたゲームを試している時は、遊びでしょうか、それとも勉強でしょうか? 対話をすることで、ずれているポイントが見えるはずです。
ミス前提にしたルールを
――ルール作りでは、どのような点に注意が必要でしょうか