病院での実習の代わりにできることを

本学は昨年2月以降、ほとんどの授業を遠隔授業に切り替えました。講義については、「難解な内容も繰り返し視聴して学べる」など好評の声が大半でした。医療施設での看護実習は断念せざるを得ませんでしたが、代わりに「ある日の模擬患者カルテの検査値を読み取る」「この患者にどう声をかけ生活支援をするか」等のシミュレーションを実施。学生も熱心に取り組んでいました。それでも、現場でしか学べない空気感や緊迫感がありますので、2021年度は感染症対策に十分留意し、できる限り実習を行う予定です。

最善を尽くせ、しかも一流であれ

聖路加国際大学は2020年度、看護教育100周年という節目の年を迎えました。この100年の歩みは、戦争や震災、地下鉄サリン事件など、様々な困難を乗り越えてきた歴史でもあります。今日も大きな試練の最中ではありますが、医療・看護学・公衆衛生学を学ぶ者として、この経験をコロナ共存の時代に生かしてください。すでに、大学院生や教員が専門性を生かして、医療現場や保健所の支援に入ったり、感染症予防や疫学調査に興味を持つ学部生が増えたりと、それぞれの立場でこの状況を見つめ、行動してくれていることを頼もしく思います。「最善を尽くせ、しかも一流であれ」という開学以来のモットーを、今後も皆さんが様々な場で体現してくれることを願っています。

聖路加国際大学
 学長 堀内成子