コロナウイルスに関する非常事態宣言の解除にともない、ようやく高等学校の授業再開のめどがついてきました(6月1日現在)。

一方で、多くの専門学校では従来通りのスケジュールで6月1日よりAO入試のエントリーが開始されているようです。本稿では、今年のAO入試エントリーとの「付き合い方」について、少し触れさせていただきたいと思います。

AO入試のエントリー期間は比較的長い

AO入試とは、推薦入試や一般入試よりも早い時期から行われる入試です。職業・学べる分野への意欲を重視する専門学校では、一般入試の定員よりAO入試の募集枠の方が多い学校も少なくありません。学びたい分野が決まっていて職業への意欲が強い受験生にとっても早期に進路が決まるメリットがあります。

毎年、早いところでは、6月1日からAO入試のエントリーを開始しています。エントリーシートの提出、学校説明会への参加、面接、実技試験など、内容は学校によってさまざまですが、エントリー期間はかなりの割合で長く設定されています。9月ごろまで受け付けるところが多いですが、学校によっては翌年の2月まで設定していることもあります。

急がば回れ

志望校調べが不十分なまま、急いでエントリーは得策ではない

今年はこれまでコロナウイルスの影響で休校が続き、志望校のオープンキャンパスも軒並み中止になるなど、受験生(高校3年生)にとっては非常に情報収集がしにくい状況でした。

昨年までであれば、6月頃までに気になる学校の見学を済ませて、教員との面談を行うなど、ある程度の準備をして志望校へのエントリーに動く段取りができているところですが、今年はまだ準備ができていない方が多いのではないかと思います。

実際に複数の高校の関係者から、「休校中に生徒があまり勧められない専門学校にエントリーをしてしまっていた」という相談をされています(6月より前から事前エントリーを行う学校も一部にあります)。あまり慌てず、まずはしっかりと志望校の確認をしてからエントリーを考えても決して遅くはないと思います。それは、以下の理由があるからです。

① 今後、オープンキャンパスを再開する専門学校が増える可能性が高い

専門学校は、学校によって設備環境や授業の進め方などがさまざまです。実際に学校を訪ねて確認することは必須です。

② コロナウイルスの影響で分野によっては今後に影響が出る可能性がある

3月以降のコロナウイルスによる「自粛」「対面禁止」などの措置で働き方も変わりました。想定外の大きな打撃を受けた業界や、むしろ、需要が伸びる業界も出てくるなど、今後の業界動向が読みにくくなっています。改めて、自分がいま興味を持っている分野の関連業界が今後、どのような状況になりそうかを考えてみても良いと思います。

こちらのコラムで繰り返しお話をさせていただいておりますが、専門学校は見分けが難しく中身はさまざまです。本当に受験生のことを親身に考えている学校は情報不足な現状で進路決定をせかすような行為は決してしないと信じております。

ぜひ、実際に学校を見て、保護者や先生に相談したり、同じ分野に興味を持つ友達と情報交換したりしながら納得のいく志望校選びをしていただきたいと思います。