増える「オープンキャンパス参加型入試」

大学や専門学校では、学校の雰囲気や入学後の生活を知ってもらいたいとオープンキャンパスを開催している。無料のランチサービスやキャンパスツアー、学生サークルの発表、送迎サービスなど、工夫をこらしたプログラムや演出で高校生たちを迎えてくれる。

高校によっては、「〇校以上のオープンキャンパスに行き、レポートを提出すること」と宿題にしているところもあるが、宿題だから仕方なく1日で複数の大学を駆け足で回る、というのはもったいない。また、高校2年生の時に行ったからと3年生では行かなくていい……と思っている人は要注意。近年、オープンキャンパスの参加を出願や選考の条件にする「オープンキャンパス参加型入試」が増えているのだ。オープンキャンパスで模擬授業を受けてレポートにまとめたり、面接を受けたりすることが出願条件になるというもの。

たとえば、甲南女子大学で実施する「総合型選抜」は、オープンキャンパスに参加して体験授業を受けることが必須だ。受講後に予備面接(1回目)を受け、エントリーシートに体験授業の内容・感想など記入。さらに2回目の予備面接を受けたのちに、出願許可書と書類がもらえる。それらに自己推薦書や調査書などを添えて出願、面接を経て合格となる。

また、東大阪大学の「オープンキャンパス参加型AO入試」は、オープンキャンパスで開催される授業に出席して課題レポートを提出、エントリーシートに必要事項を記入し、個別相談に出席(事前予約)。出願書類を提出して面接試験を受ける。

東京家政学院大学の食物学科のように、グループワークを実施するところもある。オープンキャンパスの体験授業の後、グループワークを実施し、レポートを提出する。このグループワーク・レポート50点と後日の面談50点の100点満点で評価される。

入学後に「こんなはずじゃなかった」と、せっかく入学した大学を中退してしまう学生も少なくない。大学をよく理解してもらい、やる気のある学生に入学してほしい…。そうした願いから、実際に大学に足を運んでもらうオープンキャンパスを入学へのステップにする大学は増える傾向にある。会場でエントリーシートを配布する学校もある。入試方法は毎年変わるので、興味のある大学のホームページで、「入試情報」をしっかりチェックして、見逃さないようにしよう。

参加型入試を実施していなくても、オープンキャンパスはお得の宝庫。過去問が配布されたり、入試対策講座をしてくれたりする学校も。

また、志望理由書にオープンキャンパスで感じたことを書いたり、面接で話したりすると、「しっかり大学のことを調べている」と印象がよい。図書館や実験室、教室など大学の施設や、学びたい学部学科の講義内容などをしっかり見て、「どこがよいと感じたか」を自分の言葉で話せるようにしておこう。複数の大学・専門学校を巡る場合は、印象がぼやけるのでメモをとっておくのがおすすめだ。「事前予約制」とある学校は予約を忘れずにしよう。