東京音楽大学
伝統のもとで学ぶ最先端の音楽
明るく開放的な池袋キャンパスと、最新鋭の設備がそろった中目黒代官山キャンパスをもつ東京音楽大学。「アカデミズムと実学の両立」「音楽による社会貢献」「国際性」を建学の精神として掲げ、117年という長い伝統の中で多くの音楽家を世に送り出してきた。
ステージでは塩﨑基央さん(ピアノ演奏家コース4年)が、リスト作曲・パガニーニ大練習曲集第6曲「主題と変奏」を披露。華麗な演奏に聴き入っていると、管楽器や打楽器が使われたラテン調の音楽が流れ出し、雰囲気が一変。ラテン音楽に合わせてピアノの名曲が演奏され、異色のコラボレーションに会場は湧きかえった。このバックトラックは、映画・放送音楽コース(現ミュージック・メディアコース)卒業生の横内日菜子さんの制作によるものだという。
塩﨑さんは「クラシックだけではなく様々なジャンルで活躍されている先輩方から刺激を受け、新しいアイデアを出すことができます」と大学生活の充実ぶりを語った。
また、今年度から、音楽とICTを組み合わせて学ぶ「ミュージックビジネス・テクノロジー専攻」が新設された。ここでは、音楽制作に加えてプログラミングなどを専門的に学ぶことで、エンターテインメント関連などで活躍する人材を育成することを目指している。
野平一郎学長はビデオメッセージを寄せ、同大では幅広い分野の人材を育成することを目標にし、音楽を通した教養教育も充実していると紹介。「今の社会にふさわしい音楽人を、建学の精神のもとに育てていきたい」と力を込めた。
沖縄県立芸術大学
歴史ある地区で世界の音楽を学ぶ
首里城を望む歴史的な地区にキャンパスを構える沖縄県立芸術大学。「沖縄文化が造り上げてきた個性の美と人類普遍の美を追求すること」を建学の精神に掲げ、音楽学部では1学年40人という少人数教育を行っている。「豊かな自然に囲まれた美しい景観の中で、のびのびと芸術的な感性を育むことができるところが魅力です」と話してくれたのは、向井大策准教授(音楽文化専攻音楽学コース)。
音楽学部には、音楽表現専攻・音楽文化専攻・琉球芸能専攻の三つの専攻がある。このうち音楽文化専攻は、実際にさまざまな音楽文化を体験できることが特徴だ。今年4月には、アイヌ古式舞踊ワークショップを開催し、交流を深めたという。
プレゼンテーション中盤には、「高校生の時にこの音大フェアに参加していた」という岩井路加さん(音楽文化専攻4年)が登場。「私は東京出身ですが、大好きな沖縄で様々な芸能について学んでみたいと思い、本学を志望しました。実際に住んでみて、住民の人柄や気候風土がとても合っていると感じますし、音楽・芸能に限らず、様々な面白い活動をしている方々と交流しながら、毎日楽しく勉強しています」。
また、印象に残っている授業について、「楽劇理論の授業です。作家や浄瑠璃の歌い手の実演を通して、日本や世界各地の歌や劇、それらを取り巻く社会について勉強することができ、とても刺激的でした」と語った。岩井さんは今、地域の芸能の継承について、特に岩手県岩泉町に注目して研究を深めているという。いきいきと語られる学生生活の様子に、参加者たちは真剣に耳を傾けていた。
武蔵野音楽大学
音楽を学び人としても大きな成長を目指す
武蔵野音楽大学は、東京・練馬区の閑静な街並みにキャンパスを構え、「<和>の心」を建学の精神に掲げている。「音楽芸術の研鑽」と「人間形成」という教育方針のもと、「礼儀」「清潔」「時間厳守」を大学全体で実践しているという。「音楽芸術を深く学び、人としても大きく成長していくことも大切にしています」と入学センターの三木由美氏。
同大学音楽学部は演奏学科と音楽総合学科の2学科からなる。演奏学科は、「器楽」「声楽」のほか、プロの演奏家の養成を目指して実技教育に重点を置く「ヴィルトゥオーゾ」の3コース。公開講座や演奏会が年間約150回開催されている。音楽総合学科は、作曲、音楽学、音楽教育、アートマネジメントの4コースが設置されている。
キャンパスにはコンサートホールやリハーサルホールのほか、希少な歴史資料や世界の民族楽器など総数約6000点を収蔵する楽器ミュージアムなどもあり、充実した学修環境で学びを深めることができる。
プレゼンテーションの後は、声楽を専攻する学生たちが明るい歌声を披露した。中山里咲さん(4年)と齋藤菜々子さん(大学院2年)が、「花の二重唱」(「ラクメ」より)を、井手美里さんと豊田琢眞さん(共に大学院1年)が、「パパゲーノとパパゲーナの二重唱」(「魔笛」より)を、研修員の太田舞さんの伴奏で歌い上げた。
学生らは、「オペラ基礎演技などの演習系の授業が充実しています」「先生方が学生一人ひとりを親身にサポートしてくださるのがありがたいです」など、武蔵野音楽大学の魅力を笑顔で語った。