音楽大学や音楽学部への進学に関心のある中高生や保護者らのための合同説明会「朝日 音楽大学・音楽学部体験フェア2023」が6月4日、東京・有楽町の有楽町朝日ホールで開催されました。各大学が教育理念や特色、キャンパスを写真や動画を交えて紹介するなど趣向を凝らしたプレゼンテーションを発表。昭和音楽大学・昭和音楽大学短期大学部、東邦音楽大学・東邦音楽短期大学、国立音楽大学のステージの様子をレポートします。

昭和音楽大学・昭和音楽大学短期大学部

『劇場・ホールがあるキャンパスで“本物”を学ぶ!』〜将来の可能性を広げる22の選択肢〜

朝日音楽大学・音楽学部体験フェア2023_昭和音楽大学
昭和音楽大学・短大は2024年度に「声とことばの創造表現コース」を新設

1930年に声楽研究所からスタートした昭和音楽大学は、音楽芸術表現学科に開設するピアノ演奏家・声楽・ジャズなどの15コースと、音楽芸術運営学科に開設する舞台スタッフ・バレエ・音楽療法などの6コースの、計21コースを開設している。

2024年度には大学音楽芸術表現学科と短期大学部に「声とことばの創造表現コース」を新設。現代社会に求められる新しい形の「声」と「ことば」を中心とする教育で、多方面で活躍できる感情の表現技術などを身につけた人材を育成する。

学生が作曲・出演する映像の後、入試広報室の担当者が「昭和音楽大学をより深く知るための5つのキーワード」となる、①高い授業満足度、②充実した施設、③特待生制度や給付型の奨学金などの経済的支援、④いきものがかりのボーカル・吉岡聖恵さんや国際コンクール入賞のピアニスト・黒木雪音さんなど卒業生の活躍状況、⑤資格取得支援やキャリアサポートについて詳しく説明。本格的な劇場「テアトロ・ジーリオ・ショウワ」や359人を収容できる「ユリホール」、オーケストラスタジオ、レコーディングスタジオ、バレエスタジオなど、プロの現場と遜色のない施設の充実ぶりなどが紹介された。

朝日音楽大学・音楽学部体験フェア2023_昭和音楽大学
昭和音楽大学ピアノ演奏家コース4年の三井柚乃さんによる演奏

様々なコンクールで入賞を果たしている在校生・三井柚乃さんが、「シャコンヌ ト長調HWV435」のピアノ独奏を披露。演奏後、三井さんは、「充実したカリキュラムのおかげで、自分の目標の選択肢を広げられます。どこまでも成長できるサポートを受けられるのが魅力です」と語った。

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昭和音楽大学・個別相談会の様子

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東邦音楽大学・東邦音楽短期大学

#東邦だからできること

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東邦音楽大学の最大の特長は「一貫して少人数制にもとづくOne to Oneの教育」と話す國谷尊之教授

國谷尊之教授が東邦音楽大学の特色について説明をした。「『一貫して少人数制にもとづくOne to Oneの教育』が本学の大きな特長です。学生と教員の距離は近く、実技レッスンの指導教員ではない教員からもアドバイスを得られる機会が多くあります。このような環境の中で、学生たちは落ち着いて音楽と向き合い、音楽を深く理解して、人の心を動かす演奏のできる音楽人として成長していっています」

開設している専攻は、ピアノやKonzertfach(演奏専攻)などの8専攻。演奏や発表の機会が多く設けられ、実技試験でも十分な演奏時間を確保している。

もう一つの特長は、短期留学プログラムの「ウィーン研修」。同研修は、大学3年次の必修科目であり、Konzertfachでは年度内に2回、卒業までに8回設定されている(短大生は2年次の選択科目)。オーストリア・ウィーンにある独自の研修施設「東邦ウィーンアカデミー」では、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーやウィーン国立音楽大学の教授陣などの著名な演奏家や教育者からレッスンや講義を直接受けることができる。また、研修施設に滞在することで、旅行者としてではなくウィーンの市民として、現地の歴史や文化を肌で感じることも貴重な体験となる。

朝日音楽大学・音楽学部体験フェア2023_東邦音楽大学
バイオリン演奏を披露した東邦音楽大学の小川尚也さん、ピアノ伴奏を担当した卒業生の塚越恭平さん

バイオリン演奏を披露した小川尚也さんは、「入学してから様々なオーディションに合格するようになりました。将来、プロのオーケストラに入団できるように努力しています」と語った。

朝日音楽大学・音楽学部体験フェア2023_東邦音楽大学
東邦音楽大学・個別相談会の様子

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国立音楽大学

ソルフェージュが育てる感性 ―くにたちの基礎教育―

朝日音楽大学・音楽学部体験フェア2023_国立音楽大学
「基礎の力」を重視し、1、2年次を基礎課程と位置付けている国立音楽大学

「自由・自主・自律の精神」という基本理念に基づいた教育を行う国立音楽大学。真の自由を得るために必要な力となる「基礎の力」の養成を重視しており、1、2年次を基礎課程と位置付けている。ハーモニーやソルフェージュといった実践的な技術や音楽文化論などの知識・教養・語学を徹底的に養う。

もう一つ重視していることは、自ら考えて行動し、様々な考えを柔軟に取り入れられる「個の力」の養成。「アンサンブルのくにたち」と称される同大学には、お互いの個性を認め合いながら、切磋琢磨(せっさたくま)する文化が根付く。アンサンブルで得られる大きな力は、個の力が互いに影響して相乗効果をもたらしたものであり、音楽を通じて一人ではなしえない目標が様々な意見を持ち寄ることで達成できることを学ぶ。

卒業後の進路を検討するために、複数のコースが用意されている。大学3、4年次には、演奏家としてのキャリア形成に欠かせない力を養うコースのほか、各専門性をキャリア形成に結びつけるコース、社会の中で音楽を生かすことを体験するインターンシップが可能なコースなどを用意。将来、音楽とどのように関わっていくかを考えて、選択することができる。

朝日音楽大学・音楽学部体験フェア2023_国立音楽大学
「演奏に活かすソルフェージュ」の考え方について、今村央子教授が解説。ピアノ演奏は在校生の松浦野歩さん。

今村央子教授と在学生の松浦野歩さんによる、実際の授業でどのように基礎力を身につけるのかについて体験する模擬授業を披露。「トロイメライ」を教材とし、楽曲がどのように組み立てられているのか、楽譜の理解の仕方や表現の在り方について、会場全体で学んだ。

朝日音楽大学・音楽学部体験フェア2023_国立音楽大学
国立音楽大学・個別相談会の様子

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