卒業生・修了生の皆さん、記念すべき令和元年度の卒業・修了おめでとうございます。ご両親ならびにご親族の皆さま、お嬢様の成長と今日のおめでたい日を迎えられたことを、心からお慶び申し上げます。本来であれば、我々教職員も一堂に会して皆さんの門出を盛大にお祝いしたいところでありますが、今般の新型コロナウイルスへの感染リスクを最小限にするために、このように縮小・簡素化した卒業式となったことを本当に残念に思います。しかしながら所定の学業を修め立派に成長した皆さんを本日送り出すことを、教職員一同うれしく思い心から祝福いたします。
卒業生・修了生の皆さん、今日はこれまでの人生で最も大きい節目の日となります。生まれてから、小学校、中学校、高校、短大・大学、大学院まで、皆さんは生徒・学生として家族と社会に支えられここまで成長してきました。社会へ羽ばたく今日のこの日の後は、否応なく今度は皆さんが家族を支え社会を支えていく立場にかわります。その気概をもって社会人として力強い一歩を踏み出してください。
本学は学祖下田歌子先生が「近代女子教育」の拠点として明治32年(1899年)に実践女学校・女子工芸学校を設立し、昨年5月に創立120周年を迎えました。学祖の「女性が社会を変える、世界を変える」という「建学の精神」を受け継ぎ、本学は「品格高雅にして自立自営しうる女性の育成」を教育理念としてきました。これは机上の理論だけではなく実践的な知識・技術を身に付け、自立した女性として社会に貢献し活躍できる人材を育成することを目指したものです。皆さんは、まさにこの教育を受けてこれから社会に出ていくことになります。
地球規模で世界を見ると、増え続ける人口問題や環境問題は避けて通れない課題です。また、世界経済や国際社会ではグローバル化とボーダレス化が更に進み、国際基準に対応して国際競争の中で生き抜いていかなければなりません。平和で安全で安定しているように見える現在の日本ですが、今回の新型コロナウイルスなど予期せぬ事態への対応、また、一段と少子高齢化が進み、困難でも解決していかなければならない課題が山積しています。この直面する課題を乗り越えていくためには、男女が同等に働くことができ、意思決定し、社会に貢献できるような男女共同参画社会の実現は必須となります。
本学で学び身につけた能力をしっかりと生かし、さらに自分自身を磨き続け、皆さんが男女共同参画社会の先頭に立って活躍されることを期待しています。
学生時代にあれをやればよかった、これが心残りという思いは多少なりともあるでしょう。しかし、学びは学生時代だけではありません。講義を受ける、本を読む、課題を解く、ということだけが勉強ではありません。仕事上での課題を自分自身で発見しどう解決するか考え抜くことが勉強です。社会の問題にどう向き合うべきか考えていくことが勉強です。いろいろな問題に正面から取り組んで一歩一歩進むことが皆さんの成長となります。
人生100年という時代になって膨大な時間を持っている皆さんの可能性は無限です。長い人生を充実したものにし、社会に貢献し、輝いていくためには、将来に対して夢を持ち目標を設定することが重要です。目標に向かって失敗を恐れず挑戦し、挑戦し続けることが悔いのない人生をおくることになります。
心がけてほしいことを3つあげます。
1.夢を持ち、目標を設定しチャレンジする。
自分の無限の可能性を信じること、為せば成る。です。
2. グローバル化、ボーダレス化を見据えて幅広い視点から社会を見る。
あらゆる分野で国境はなくなっています。近視眼的見方は通用しません。
3. 健康増進と体力をつける。
長い人生、最後にものをいうのは健康と体力です。
本学が皆さんの母校です。折々に母校の先生方と連絡を取ってください。本学には学生一人ひとりの個性を大切にした個別支援体制:J-TAS(Jissen Total Advanced Support)があり、卒業後もすべての教職員が皆さんの成長をサポートします。今後社会に出ると、いろいろと悩むことや困ったことが出てくるでしょう。そういう時は遠慮なく母校を訪れ恩師の部屋のドアをたたいてください。また、大学時代の多くの友人とも連絡を取り合って、さらに深い友情をはぐくんでください。
皆さんの今後の社会人としての活躍と、一人一人の人生が豊かで実りあるものとなることを祈念しています。
卒業記念パーティーのお知らせ
2019年度卒業式式典及び各学科謝恩会の中止に伴い、「卒業記念パーティー」を2020年9月19日(土)各キャンパスで行います。
詳細が決まり次第、2019年度卒業生の皆さんに改めてご連絡いたします。