コロナ禍の時代、今まで以上に重要になるのが「デジタルリテラシー(ITを使いこなす力)」だといわれる。特にアカデミックな現場では、従来のオフィスツールにとどまらない、さらに一歩進んだクリエイティブツールの活用が期待されている。PhotoshopやIllustratorなどを提供するアドビは「アカデミックにこそAdobe Creative Cloud」と題したキャンペーンを実施し、先生たちの遠隔授業や研究発表などで活かせるデジタルツールの有効活用を推進している。前回に続き、アドビのマーケティング本部 教育市場部 小池晴子部長に、教育現場でのクリエイティブツールの現状や可能性について聞いた。

遠隔授業やグループワークの悩みもデジタルツールが解決

クリエイティブツールは、デザイナーやクリエイターなど特定の職種の人だけのツールではありません。これからの社会では当たり前のデジタルリテラシーになっていきます。特に教育の現場にはクリエイティブツールが活躍できる余地がたくさんあります。

例えば、遠隔授業が増え、自分で講義用の動画を作る必要に迫られている先生も多いと思います。オンライン授業の際、グループワークができないとお困りの先生も少なくありません。そのような悩みは、動画を簡単に編集できる映像編集アプリを使ったり、ツールの共同編集の機能を活かしたりして解決ができます。

また、研究成果の発表で、難解な内容の説明やデータの表現方法に迷っているときに、クリエイティブツールを使いこなすことができれば、写真や図形などを用いて人に分かりやすく伝えられる資料・論文を作ることが可能です。「クリエイティブツールまで使う必要はない」と、おっしゃる先生もいらっしゃいます。でも、そうではありません。先生の研究内容が大事だからこそ、より多くの人たちに一層わかりやすくその内容が伝わるようにしていただきたいのです。

クリエイティブツール活用の具体的なヒントや事例を紹介

今回のキャンペーン「アカデミックにこそAdobe Creative Cloud」では、大学・短大・専門学校の先生や学生に、一歩進んだクリエイティブツールの活用をお勧めしています。「Adobe Creative Cloud」は、20数種類のツールとサービスが全て使えるサブスクリプション方式のライセンスですが、教育機関向けには特別価格で提供しています。

また、webサイト(アカデミックにこそAdobe Creative Cloud)では、クリエイティブツールの活用に関する具体的なヒントや事例を紹介しています。講義用動画の作成などが簡単にできるAdobe Premiere Rush、グループワークにも活用できるAdobe XDについて、遠隔授業を展開する先生たちから反響をいただいています。Photoshopは、学術的な研究における画像処理において各種学術雑誌の規範にも沿っているツールです。このPhotoshopを活用した画像処理のコツについても、医学・薬学系研究の先生・学生に役立つような内容を紹介しています。

学校のパソコン室だけではなく、学生のパソコンでツールを使う時代に突入

アドビは、コロナ禍で全世界的に休校が続いていた時期、学校のパソコン室用のライセンスをお持ちの学校を対象に、学校の外で先生や学生のパソコンからAdobe Creative Cloudにログインして使えるように開放して学校教育をサポートしました。以前から学生が自分のノートパソコンを学校に持ってきて授業を受ける流れは徐々に始まっていましたが、学校の外でオンライン授業を受ける状況が続くにつれ、その傾向は急速に進んでいます。その結果、Creative Cloudについても、学生用のライセンスをまとめて購入して、学生に提供する学校も増えてきています。学生一人ひとりがライセンスを持っていれば、現在のような特殊な状況でなくても、学生が時間や場所の制約なくクリエイティブな活動をすることができます。創造性が発揮できることは今後ますます大切になるので、このような個人個人に紐づいたライセンスの形が加速していくでしょう。

学生に創造性を発揮できる環境と多くのチャンスを

教育は、人づくりと言われます。これからの社会で活躍する若者や子どもたちのために、できるだけ多様な出会いの機会と多くのチャンスを作ることが大切です。クリエイティブツールとの出会いは、一歩踏み込んだデジタルリテラシーとして、必ず将来に役に立ちます。先生の役割も教えることから学生が学び取るチャンスをサポートすることに移り変わっていきます。アドビもクリエイティブツールの会社として、様々なプロジェクトなどを通して学生の出会いのチャンスを作っていきます。今回のキャンペーン「アカデミックにこそ Adobe Creative Cloud」も、多くの教育現場で、学生のみなさんのスキルアップの手助けになればうれしいです。(談)

遠隔授業の困りごとを解決するためのヒント
授業コンテンツの準備やオンラインでのグループワークに

 魅力的な動画授業をより手軽に

直感的で使いやすいオールインワンの映像編集アプリAdobe Premiere Rush。そのユーザーグループの代表を務める現役大学生が、Rushを使って遠隔授業動画をより手軽に作成するコツと、学生ならではの視点から「学生の集中が途切れない」ひと工夫をお伝えします。 

遠隔授業でもグループワークを効果的に

アイデアを視覚的にわかやすく形にするプロトタイピングツールAdobe XD。本来の用途はWebページやモバイルアプリのUI/UXデザインですが、このツールの特長のひとつである共同編集の機能を活かしてオンライン授業でグループワークを行うことができます。

研究内容や実験結果を人にわかりやすく伝えるためのヒント
発表ポスターやプレゼン資料、論文作成に

人が集まる研究発表ポスターの秘訣

多数のポスターが並ぶ研究発表セッションで関心をよび説得力を高めるには、デザインの原理の活用が欠かせません。Adobe Illustratorで色やフォント、配置を工夫するコツと具体的な手法をご紹介します。

わかりやすく伝える「正しい」画像処理のコツ

画像から研究上の客観的・定量的なデータを得るには、適切な画像処理が必要です。Photoshopを活用することで、原画像に含まれるノイズ影響を抑え、信頼度が高く、かつ見やすい画像で研究成果を効果的に発信することができます。

※いずれも詳細はweb(アカデミックにこそAdobe Creative Cloud)でご覧ください。