大阪歯科大学は、821日、高校生を対象にしたSDGsアイデアのコンテスト「SDGs AWARDS」(主催:大阪歯科大学、後援:朝日新聞社メディアビジネス局/(株)進研アド)を開催。楠葉キャンパスの会場には518人、オンデマンド応募34人が参加し、観客が見守る中、公開プレゼンテーションに挑んだ。厳正な審査の結果、最優秀賞の石川県立大聖寺高等学校「『スマホはこわい!』デジタル・デバイド解消で世の中を元気に!」をはじめ、8組の参加者に賞が贈られた。アワードに先立ち行われたSDGsミニ講義などの様子と合わせて紹介する。

未来を担う高校生の力とアイデアが社会を変える

「育て、貢献する」をモットーに、ESD(持続可能な開発のための教育)を推進してきた大阪歯科大学。今後、医療人が不足することを見据え、未来を担う高校生たちに「良質な原体験の機会」を提供し、医療系進路を選ぶきっかけになれば、との思いから、2021年度は高大接続型の医療系進路探究プログラムを開発した。今年8月には、同プログラムをさらに発展させ、第1SDGs AWARDSを開催。川添堯彬理事長・学長の「未来をつくるのはみなさんです。これからの世界はみなさん一人ひとりの力とアイデアとアクションで変わっていきます。チームメンバーとともに切磋琢磨して探究し、考えた素晴らしいアイデアの発表に期待しています」というあいさつで、プレゼンテーション大会が幕を開けた。

大阪歯科大学理事長・学長 川添 堯彬氏
大阪歯科大学理事長・学長 川添 堯彬氏

 8組が熱い思いでプレゼン人と人をつなぐ大切さを発表

参加した高校生は、募集テーマ「SDGsで地域医療・福祉の課題解決にチャレンジ 高校生がつくるコミュニティ」から、SDGsの視点で課題設定を行い、解決策をプレゼンした。

石川県立大聖寺高等学校は、介護施設の高齢者にスマホ利用のアンケート調査を実施、デジタル・デバイド(ICT[情報通信技術]が使える人と使えない人との格差)の問題を提起。高齢者の情報格差を解消できるように、高校生によるスマホ講座で、好評を得たことを伝えた。

8組のプレゼン終了後は、審査員が探究学習の観点などから審査し、賞を決定。最後に同大学特任教授の雄西智恵美氏が「熱の入ったプレゼンで、意義のあるアイデアをいただきました。高齢者や教育などの格差問題に関心を持ち、身近なところからできることを考えてくれたのがうれしい。皆さんの共通テーマだった、人と人をどうつなぐかは問題解決の核となるところです。老老介護やヤングケアラーなど取り残されてはいけない人にフォーカスをあて、これからもSDGsの視点で地域を考え、学びを深めてください」と総評した。

大阪歯科大学看護学部(仮称)開設準備室特任教授 雄西 智恵美氏
大阪歯科大学看護学部(仮称)開設準備室特任教授 雄西 智恵美氏

ミニ講義や医療体験が探究の起点「医療系進路探究プログラム」

探究プログラムの一環として企画されたSDGs AWARDSに先立ち、高校生を対象に、3つの教材が提供された。1つめは「SDGsミニ講義」だ。医療保健学部の濱島淑惠教授による「ヤングケアラー支援」、看護学部(仮称)の眞浦有希特任講師による「訪問看護の現場から学ぶ地域医療・福祉」など、地域医療・福祉やチーム医療の現場の実際について学んだ。2つめは、枚方市の「コミュニティインフォメーションマップ」。枚方市の地域コミュニティーの活動を地図とともに紹介し、フィールドワークや情報収集のヒントとして提供された。3つめは、課題設定の糸口として、同大学教員が取り組むSDGs50の活動をまとめた「SDGs事例集」が配布された。その他にも医療機器体験やカードゲームなど、工夫ある企画で高校生たちの探究プロセスをサポートした。

井浦特任講師によるSDGsミニ講義
眞浦特任講師によるSDGsミニ講義

<参加した高校生とアワード各賞>

最優秀賞

石川県立大聖寺高等学校 「スマホはこわい!」デジタル・デバイド解消で世の中を元気に!

 ※オンデマンド発表

 

大阪歯科大学学長賞・視聴者賞

立命館守山高等学校 プラネタリウムが生み出す地域交流 ~全ての人に癒しの時間を~

 

優秀賞

京都橘高等学校 子ども食堂と学習スペース

 

審査員特別賞 朝日新聞社賞

大阪府立水都国際高等学校 全く違う世代をつなげるコミュニティ

 ※オンデマンド発表

 

審査員特別賞 島津製作所賞

育英西高等学校 ゴミ拾いで高齢者も町も明るくしようプロジェクト

 

審査員特別賞 類設計室賞

京都聖母学院高等学校 SDGsカフェ

 

奨励賞

京都聖母学院高等学校 多世代の関わり×SDGs

 

敢闘賞

常翔啓光学園高等学校 スポーツをしよう!

 ※オンデマンド発表